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2016年 07月 30日
被写体との距離感と信頼感
c0160283_20045525.jpg川島小鳥さんの写真展、『20歳の頃』が開催ということで、初日に行ってきました。会場は、阿佐ヶ谷のセレクトショップ(という表現でいいのかわかんないけど)voidさん。駅から徒歩7〜8分でした。お店が見えてくると、お、人だかりっぽい感じが。小さいお店だったので、10人入るといっぱいかなーというところですが、とはいえそんなに大々的に告知をしていたわけでもないと思われ、小鳥ファン、たくさんいるなーという感じ。お客さんの雰囲気がね、なんとなく、それっぽいのですよね。うまく形容できませんが。

さて、今回の展示は新作の撮り下ろしで、森川葵さんのポートレート。東京都内各地と思しきところから、台湾まで。でもランドマークというよりも、普通の道端や雑踏の中や名もなき場所で、不思議な浮遊感とともに森川さんが躍動してます。躍動というとおかしいですね、なんとも不自然なゆるさです。普通ではないポーズと、表情と。事務所NGになっても良さそうな。でもそれが許されるというか、それこそが川島小鳥ワールド。台湾になってくると、これは『明星』の延長戦、という感じになってきます。という世界が、小さな店内に大小張り巡らされているのでした。

そしてこれを一冊にまとめた同名タイトルのZINEが会場で販売されていたのでもちろんゲット。ZINEとはいうものの、平綴じで写真集と言って差し支えないレベルなのでお得です。さて、20歳の頃、ですか。もう随分遠くのこと過ぎてうまく思い出せないけれど、この世界よりはもう少し後ろ暗かったような。というかパッとしなかったような。いやでも、もしかしたら、世のイメージするハタチの浮かれ感とは違う、ふきだまり感を表現しているのかもしれないとも思えました。そして、なんにせよ爆発的なエネルギーと。

もう一つ、被写体との距離感について。結構アクロバティックだったりエキセントリックなポージングも多いですが、これは誰にでも真似できる世界ではなくて、作家のイメージももちろんだし、それに巻き込める距離感がすごいよね。小鳥さんの、写真に対して真っ直ぐで、いいものを撮りたいというシンプルさが相手に伝わるから、つい巻き込まれちゃうんだろうなー。それを信頼させるその間合いこそがセンスなのではないかな、と思いました。

会場、ご本人がいらして、息子とのツーショット撮ってもらっちゃいました。自慢です。



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by april_hoop | 2016-07-30 00:00 | 文化
2015年 02月 28日
明星展@パルコミュージアム
c0160283_23305417.jpgc0160283_23305981.jpg『明星』の写真展をパルコミュージアムでやるっていうから駆けつけました。いろいろ仕掛けがあって楽しかったよー。
川島小鳥写真展「明星」 | PARCO MUSEUM | パルコアート.com

パルコミュージアム、決して大きくはないけれど、その箱がポップ&キッチュな台湾&小鳥ワールドになっていて、テーマパーク気分で楽しめました。なんか間仕切りに穴が空いていたり、遊具に潜り込むように下から箱に入って上を見上げたりとか、身体的な鑑賞を促す作りになっていたのも良かったな。真面目にウンウン唸るよりも、公園感覚で楽しむ方がこの写真の世界には合っている気がする。

改めて、大伸ばしになった写真を見るのもいいんだよねー。フィルムの味わいもよりはっきりとわかるし、やはりこの写真に収められた無数のキラキラが胸に迫ってくる。写真集の時はとにかく楽しいって印象が強かったけど、こうしてみると青春の1ページ的な切なさとか、日本で見つけづらくなったノスタルジーの方が強く感じられる気がする。少年少女の無垢な表情こそが今この瞬間にしかないものを訴えていて、彼らもやがて大人になり、もしかしたらいつか台湾も大きく変わるかもしれなくて、なんかそれが切なくもありつつ、失われるかもしれないからこその輝きなんだろうなって思います。無くならないで欲しいけどね。みんな大人になるからね。

会場ではグッズも充実。目玉はケイスケカンダがデザインした明星Tシャツにトートバッグ。大繁盛してて並ぶのが億劫で買わずに帰ってきたけど買えばよかった。そしてこの日は、台湾のコーディネーターでもあり、この写真集の影の立役者でもある青木由香さんと、川島小鳥さんの対談も行われました。モデルになってくれる子をいろいろ探したとか、台湾の雰囲気とか、バックストーリーいろいろ聞けて楽しかったです。

終わった後、代官山蔦屋で、TRUCK FURNITURE EXHIBITION TOKYOやってるっていうからはしごしたら、ものすごい入場待ち行列で断念。大阪に行った方が早いなこりゃ。
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by april_hoop | 2015-02-28 00:00 | 文化
2015年 02月 20日
感想_明星
c0160283_311835.jpgこないだ、TOBICHIで買った川島小鳥さんの新作写真集『明星』を鑑賞。台湾を舞台に、7万枚もの「キラキラしたものたち」を撮影し、その中から編まれた一冊。もうね、台湾の素朴さと、ノスタルジーと、南国の温度や匂いが、すごく近しい形で収められててたまんなくなるわ。台湾が好きな人にはマスターピースの一冊。いや、なんか自分、大人になっちまったな…って人にぜひ見てもらいたい一冊!
川島小鳥写真集『明星』 | ナナロク社

台湾って、本当にいい国なんだよね。あったかくて(夏は猛烈に暑いみたいだけど)、人の距離感がゆるくて、それでいて昭和っぽいものがいろんな意味で残っている。古い建物もそうだし、寛容な雰囲気もそうだし。それがなんとも居心地いいのだけど、それを正しく、まっすぐに捉えている。ただ、異国のエキゾチックな感じを撮っているんじゃなくて、被写体のモデルたちと心を通わせて撮っているだろうことが想像できる。だって、若者男女がいろいろ出てるんだけど、雨の中ずぶ濡れて立ってたり、カップルが不思議なスイカ食べてたり、少女がそこここで飛び跳ねたり、学校の子供たちが超レトロな服装ではしゃいでたり、旅行者目線じゃ見つけられないものを切り取っているから。

そのレンズを通して見る台湾は、普通に出会う台湾以上にキラキラしていて、エネルギーに満ちていて、閉塞感に苛まれる日本が忘れてしまったものに溢れているんだよね。それが羨ましくもあり、いや、かつては自分にもあったはずだと奮い立たせてもらったり、結構いろんな感情がない交ぜになるんだな。ファニーでユニークなんだけど、決して奇をてらってる感じではなくまっすぐだから、こちらも正面から受け止められるのです。まあ、とにかく、台湾行きたいなー、この子たちに会いたいし、この景色を見たいなー!って単純にものすごく思わされるという話です。

驚くべきはその装丁。タテイチの写真の束と、ヨコイチの写真が、互い違いに連なっていて、それぞれトリミングも余白もなし! だからカバーの右上は斜めにカットされているというミラクル仕様。このものづくりへのこだわりも半端じゃないっすね。あらゆる意味でエポックメイキングな一冊。ものは試し、まずは是非ご一覧あれ! あ〜台湾行きたいな〜〜〜!
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by april_hoop | 2015-02-20 00:00 | 出版
2015年 02月 14日
MYOJO IN TOBICHI
c0160283_0444041.jpgハッピーバレンタイン!とは全然関係なく、ほぼ日がつくった実店舗、ほぼ日のTOBICHIに行ってきました。場所は表参道を根津美術館に出て左に曲がって少しいったところ。小さな2階建ての物件でした。おめあては、川島小鳥さんの新作写真集『明星』の展示販売です。
明星 ~小鳥がのぞいた台湾~ @TOBICHI - ほぼ日刊イトイ新聞
2/11〜15まで。

1Fは『明星』がずらりと並んで販売しているほかに、小鳥さんの前作『未来ちゃん』ほか作品の一部や、台湾関連の本が並んでます。この期間中は、『明星』を買うとくじがひけて、当たりが出ると、小鳥さんが仕入れてきた台湾雑貨がもらえちゃったり、楽しい仕掛けが。あと明星グッズも販売されてます。人気のものはすでに完売しちゃってましたけどね。てことで、さっそく『明星』を購入してくじを引いたらハズレ…。でも、ハズレの人には小鳥さん直筆の「それもよし」イラストもらえました〜。こっちのほうがレアかも?

購入もだけど、今日はヤマサキハナコさんとのトークショーがお目当て。これは2Fスペースで行われたのですが、狭いため入れるのは8人だけ。開店時に整理券をゲットした人だけが入れます。でも1Fのスクリーンでトークの様子を放映してくれたので問題なく見れました。立ち見だから疲れたけどね。

ヤマサキさんは、明星の撮影をしてた頃に台南に住んでいた方で、ご縁あって撮影の案内やお手伝いをなさっていたそうで、今日はそのときのエピソードや台南についていろいろお話ししてくれました。ヤマサキさんが関西人ということもあってテンポがよく、そこに小鳥さんがゆるくかぶせていくのが面白かったわ。台南の人のやさしさとか、雨のすごさとか、バイクの乗り方とか、バイバイの速さとか。小さなエピソードがなんとも絶妙に楽しいんだよなー。台湾ってそういうのがいいよな〜。また行きたいね、今度はむちゃくちゃ暑いという夏にでも。

てことで、写真集の感想はまたじっくり見てあらためて。ちなみに月末からはパルコミュージアムでも展覧会をするとか。それも見に行っちゃおうかなー! あ、あと、すぐ近くにTOBICHI2が間もなくオープンするんだそう。それもすごいなー!

あと、ほぼ日でこの写真集についてのインタビューが。バックストーリーを聞くとさらに好きになる!!
川島小鳥さんと、ナナロク社のこと。- ほぼ日刊イトイ新聞
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by april_hoop | 2015-02-14 00:00 | 文化
2015年 02月 04日
感想_家族写真は「  」である。
c0160283_14391951.jpg胸熱! 全家族必見! 浅田政志『家族写真は「  」である。』読了。『浅田家』で木村伊兵衛写真賞を受賞した写真家の浅田政志。『浅田家』ができるまでと、それ以降もこだわり続ける家族写真について、その活動を振り返りながらまとめた一冊。
亜紀書房 - 家族写真は「 」である。

いやーすごく良い本でした。浅田さんのことは、『浅田家』でしか知らず、その後も家族写真にここまで熱い思いとこだわりを持って撮り続けてらしたとは。そのきっかけが、専門学校時代の課題だったというのも面白いし、その根っこにあった小さい頃からの家族写真の年賀状というのも運命を感じるし。『浅田家』と言う作品も改めてより一層楽しく見ることができそうです。

でも、それは布石。そこからの家族写真の展開が胸を打つ。お兄さんの奥さんや甥っ子、そして自分の奥さんまで含めて家族写真が進化していくこと。自分の家だけではなく、日本中の家族写真を撮り続けていること。ここまで家族写真というものを見つめて、そこにある意義を考えて撮っておられたことに感動。さらに震災を経て、その意義がさらに強まっていることにも驚いた。確かに家族写真てどの家にもあって、でも今は手軽に撮れるゆえに重みが薄れているところもある。そこに、家族アルバムという形を与えることの大切さ。なんとなく思う部分もあったけど、より深く教えられました。僕も、震災後には写真洗浄のお手伝いをしたから、写真の持つ力はなんとなくわかっていたつもりだけど、その点に関しても、今まで以上に実感できた。

本当に家族ってやつは不思議なもので、唯一無二だけど、近すぎて見えなくなることもある。それを、時間や空間を超えてつなぎとめる写真のチカラよ! 動画とは違う、静止画だからこそこもる背景の物語や、その場の空気感や、個々が持つ感情や、過去や未来が、写るということ。そして色あせずに、物理的にはあせることがあっても、いっそう愛おしさが増すという事実。そこに向き合い続け、意味を生み出し、世に広める浅田さんの活動に心底感動しました。

残念ながら応募が多すぎて、みんなの家族写真を撮る企画は受付停止しているみたいだけど、僕も僕なりに家族の写真というのを残していこうと誓ったのでした。人生に楽しみが増えて嬉しいや。ありがとう、浅田さん!
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by april_hoop | 2015-02-04 00:00 | 出版
2015年 02月 01日
僕たちの写真。
c0160283_2341561.jpgますます奥深き写真の世界よ。と唸っちゃう今年のブルータスの写真特集。写真特集作るのってすごく難しいんじゃないかな〜と思うのだけど、毎年いい特集だと思っております。リスペクトやわー。
『みんなの写真』Brutus No. 794 | ブルータス (BRUTUS) マガジンワールド

「みんなの写真」というタイトルに込めた意味はなんだろうと考える。特集は、ホンマタカシさんがMC的に立って、いろんな写真家と対談をするという体裁。ファッション写真でいちばん勢いある奥山さん。ポパイで素敵なファッションシュートをする白川青史さん。『明星』が出たばかりの川島小鳥さん。去年の木村伊兵衛賞の森栄喜さん。などなど。それぞれ、当然ながら写真に猛烈なこだわりがあり、ストーリーがある。多分どれもが正解で、どれもが写真の楽しさで、どれもが撮ることの難しさで。そしてそれはもう、プロだけのものじゃなくて、誰でもいつでも写真を撮れちゃう時代だからこそ「みんなの写真」って言ったのかな。インスタも含めてね、写真の世界はこんなにも開かれていると。

いやしかし、おっもしれーなー、写真! 白川さんの写真が全部望遠だなんて驚くし、奥山さんが写真のセレクトとか構成まで提案しているなんて驚き通り越して失神しそうになるし。撮り方も選び方も千差万別。そこに正解はないけど、惹かれる写真とそうでもない写真の線引きってのは確かにあるんだよね。センスって言葉で片付けていいのかわかんないけど、どれだけ写真のことをずーっと考えてるか、とかなのかもしれないなー。野球選手がどれだけ野球漬けになるかみたいな。夜の三冠王になってちゃいかんぞ、みたいな。もちろんプロの世界知りませんけど。

マガハの雑誌のバックナンバーの写真に注目したブックインブックも面白かったです。雑誌に勢いあった時代の、やっちゃった感満載の写真たち。マーケティングが幅を利かせちゃう今、予算もないし、なかなかそこまではできないとしても、やっぱり冒険とか挑戦がないといかんよな、と自戒してみたり。インスタは、パスワードわかんなくなって放置してたけど、あらためてアカウント取ってみたらインターフェイスがまったく知らないものになっててビビった。。手が出ねぇな。。。(でもやっといたほうがいいような気が)

写真楽しいなー。見るのも撮るのも。もっともっといい写真を撮りたいし見たいです。がんばろ。
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by april_hoop | 2015-02-01 00:00 | 出版
2014年 10月 21日
コトバはシュンカンと交差して
c0160283_22245498.gif詩人の谷川俊太郎さんと写真家の川島小鳥さんがコラボした一冊が登場! タイトルは『おやすみ神たち』。その展示&詩の朗読会&トークショーが、両国のギャラリーで行われるということでいってきましたー! ひとことで言って、とても素晴らしかったです。
GALLERY MoMo | Contemporary Art Gallery | Tokyo
ナナロク社

この作品は、交流のあったおふたりが、何かやりたいねってところから企画がスタートして、小鳥さんが台湾で写真を撮っていることを聞いた谷川さんが、それでやろうとなったらしい。で、テーマは「タマシヒ」ねってパスがきて、小鳥さんは撮影した写真からこれだというものを1000枚くらい送り、谷川さんがそこからセレクトしつつ詩をのせたのです。というバックストーリーを聞かせてくれました。話を聞くと簡単そうにも聞こえるけど、これ、相当大変というか、お二人じゃないとできない技だと思う。いや、形にするだけならできるけど、それでいい作品にできるところが偉業なわけです。

今回は谷川さんみずからの朗読が聞けるというスペシャルな時間で、あらためて詩のもつよさ、言葉の重み、力を感じられました。単語が持っている意味とイメージ。それが二つ、三つとつながって膨らむ形と世界。目を閉じて聴いていると、谷川さんの口から発せられたコトバは、一瞬でこぼれ落ち、後には何も残らないのに、でも確かに温度とか空気の動きがある不思議。効率化を迫る社会において、詩なんてそのいちばん対極にあるだろうものだけど、でもその意味や効果を超えたところで存在感を発揮することにあらためて驚きと感動を覚えました。まさにそれは、タマシヒみたいだな、って。

そしてこの作品が素晴らしいのはそこに、小鳥さんの写真が加わるということです。いえ、そもそも写真からのインスピレーションで生まれた詩でしょうから、どっちが先にしても良さが二乗されてくのです。写真は瞬間を捉えています。だけど、その瞬間は、その周辺にあるものも伝えてきます。時間の流れ、空気感、気温や体温、ストーリー。そこにコトバの飛距離が加わって、タマシヒの重さがのっかって、それはもう奇跡としか言えないようなものになります。単語をあてはめるなら、小宇宙。コスモです。どちらも単独で素晴らしいけれど、それぞれが交差して共鳴するからこそ、世界が膨張して増幅するんです。聖闘士星矢で言うところの、第7感です。

朗読は今夜限り、展示も11/3で終わってしまいますが、この詩&写真集は必携の一冊。台湾の素朴な美しさも心を打つものがあります。タマシヒは、僕たちのすぐそばに。その向かう先はnowhere。僕たちとともに、最後まであり続けるのだと思います。
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by april_hoop | 2014-10-21 00:00 | 文化
2014年 07月 29日
HER 世界でひとつの彼女たちの日常
c0160283_10155983.gifちょっと前にIMAで『沙和子 無償の愛』という写真集を見た。若い女性のヌード写真で、それを撮っていたのがクロダミサトさんという写真家さんだった。そのしばらく後にこの本を手にした。『HER』。クロダミサトさんが、京都の大学を出て東京にやってきて、同じ大学の同級だった友人あっしゅとルームシェアをした2010〜2012年の2年間撮影した日常の記録。
HER|撮る|書籍|雷鳥社 Raichosha

ネット上でのブログ連載を書籍化したようで、まさに日記を読んでいた感覚。僕にとっては彼女たちの2年間の記録は青春を振り返るような作業で、もちろんルームシェアの経験もなければ、ものづくりを学ぶという時期もなかったので、全然別ものなんだけど、同じ年の頃を過ごしたことがある人間として読む手を止められなかった。特になにが描かれているわけでもない。胸をえぐるような物語もなければ、教訓めいた言葉が落ちているわけでもない。だけど、だからこそ嘘がないその正直さが心地よかったのだ。

クロダさんがどんな人なのかは知らないし、この本と沙和子を観ただけではよくわからないけど、ポートレートを中心に活躍なさってるみたいだし、きっと人との向き合い方が真っ直ぐな方なんじゃないかなーと思った。人を撮るってやっぱり被写体と向き合うことと、被写体にさらけ出すことと両方必要な気がする。少なくとも、嘘を抱えたままだといい写真は撮れないんじゃないかなって思う。

その意味で、ここにつづられた2年間というのはほとんどすっぴんだったのではなかろうか。世に発表するものとして多少体裁が整えられる部分はあれど、隠した部分もあるだろうけど、でも残されたものは本当のことなんだろうと思えた。失恋があり、成功があり、震災があり、あっしゅの妊娠もあった。二度と戻ることはなく、そして損なわれることもない2年間の記録。

なんだか自分も頑張らないとなーという気分。勝手に。一生懸命毎日を過ごして、一日一日はなんてことなくても、いつかそれを振り返ったときに良かったねって言えるように。そして今日も僕は遅れがちなこのblogを記録するのでしたー。
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by april_hoop | 2014-07-29 00:00 | 出版
2014年 07月 12日
フォトショで作れそうなんて怒られるだろうけど
c0160283_11193458.gifさて、報道写真展流れで、上でやってたもうひとつの展示を鑑賞。佐藤時啓「光ー呼吸 そこにいる、そこにいない」。初めて聞くお名前で、写真を観ると、美しい景色の中で、光の点があちこちにある。幻想的でキレイだな〜。
東京都写真美術館

この写真、長時間露光を使って、作家さん自身が鏡を持って動き回り、いくつもの光を創り出しそれをフィルムに焼き付けているんだそう。その幻想性もさることながら、その彼自身の移動の記録というのもおもしろいところ。森の中、雪景色の中、海の上、など、その光は妖精かなにかのような、モノクロでありながらジブリっぽさも感じさせるような世界観。キレイだな〜。光、呼吸というタイトルに、自然と作家の関係性ってことが現れてるように思います。

個人的にはこれ、街中でもやってみてほしいなーとか思ったりもするけど。都会なら、都会なのに誰もいなくて光だけがそこにあるって写真になったりするのかしら。そういえば、PIKAPIKAとかもこれと同じ技法だよね。技法自体は誰にでも真似できるものだから、やっぱりテーマと世界観が重要か。さらにいけないことを思えば、これ自体はPhotoshopでも作れちゃうだろうなぁ。その中で、いかにして唯一独自の世界を保つのか。けっこう難しいことだと思います。

写真の美しさ以上に、作家の存在感をどこまで刻み込めるのか。意図的に作品の中からは消し去っていると思うけれど、そうじゃないパターンも見てみたいな。そこにもしかしたらこのテーマのゴールが見えてくるのかも。なんてえらそうにすみません。でも見れてよかったです。写真表現もほんとに無限だな〜。
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by april_hoop | 2014-07-12 00:00 | 文化
2014年 07月 11日
この地球で、今、起きていること。
c0160283_22133471.gif今年も「世界報道写真展」に行ってきました。毎年ここに足を運ぶことは、ニュースやネットでは追いかけ切れない世界の今を知りにいく作業だと思ってます。高く評価される報道写真だから、とにかくその強さは半端じゃない。事実は小説より奇なりを地でいくような写真たち。今年も必見です。
世界報道写真展2014

全体の印象としては、厳しい現実を知らしめる写真の割合が、ここ3年くらいの中では比較的少なかった気がした。いつも、かなり落ち込んで帰ってくるんだけど、今回はそうでもなかった。ただそれは、世界的に悲惨なことが少なくなったわけじゃなくて、たまたまでしかないんだろうけど。意図してバランス調整したのかどうかはわからないけど。

ざっと並んでた写真を列挙すると、まずは大賞に選ばれた、アフリカの夜の海岸でケータイを空にかざす人々の写真。美しいとさえ思うその光は、出稼ぎ労働者たちが微弱な電波をキャッチし、家族に連絡を取り休息を得るための行為だという。一気に写真の意味が変わる。出稼ぎが必要な社会状況、デジタルによる人と人のつながり方の変化、家族を求める心のありよう、そんな意味を持つ一枚の写真のチカラにしばし足が止まる。

シリアやパレスチナの紛争や、フィリピンの大型ハリケーン・ハイエンによる惨事。中南米の殺人事件や、アメリカの暴力事件。色素欠乏症や同性愛、精神病患者などのマイノリティの姿。バングラデシュの工場倒壊事故。ミャンマーの兵士。オーストリア、ルーマニア、ポーランドなどの市井の人々。世界の絶景と、対照的な環境汚染の様。クーガー、ボノボ、フェネックギツネといった希少動物。全米オープンテニスやアルペンスキー、ヨットレースなどのスポーツシーン。などなどなど…etc.

明るいものも、胸が痛むものも、これらはすべて僕らが生きる今、まさにそこで起こっていたこと。だけどそれを僕は知らない。こうして写真をみるまでは。そんなことは今始まったことでもないけど、視点ってどこに持つべきものか考えてしまうな。世界は絶望的な状況だって思うこともできるかもしれない。だけど今日の東京はとても平和でいい天気ですべてがうまくいくような気もする。だけど今日もどこかで戦闘は続いている。僕は、そういうのをなるべく俯瞰していたいと思っている。俯瞰し過ぎるとなにもかもがどうでもよくなってしまいそうな気もするけど、そこまではいかないように気をつけながら。

来年のここには、きっとウクライナのことも、マレーシア航空のことも、ワールドカップのことも一枚の写真になって届けられるんだろう。今、世界のどこかで起きていること。今、僕の目の前で起きていること。どっちが大事ではなく、どっちも大事なんだよな。って、いつも思います。東京では8月3日まで。ぜひぜひ。
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by april_hoop | 2014-07-11 00:00 | 文化