2015年 02月 25日
感想_ヒップな生活革命
c0160283_22364438.jpg話題の1冊ですね。佐久間裕美子『ヒップな生活革命』読了。リーマンショック以降、アメリカで新しいカルチャーが台頭し始めている。それは、顔の見える生産者を選んだり、自らの手を動かしてものづくりをしたりして、自身の暮らしを自分でちゃんと選ぶというスタイル。大量生産大量消費時代を終え、新たな局面に入ったアメリカの最先端を、現地在住ライターがリポートしています。
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簡単に言えば、何かと話題のポートランドと、ブルックリンの話ってことになります。こないだ上陸したばかりのブルーボトルコーヒーも、この流れと同じ線上にありますね(サンフランシスコからだけど)。どこの誰が作っているのかわからないものはもうごめんだ!ってことで、自分が信頼できるもので暮らしのものを用立てようということ。それも、なるべく環境に負荷をかけない形で、適正な対価を支払って、というのが理想。エコやロハスとも親和性高いし、インターネットなくしては成立しえないスタイルですね。全てが飽和した今、人々が求めたのは「正しさ」だったと思うとなんだか興味深いです。

2013年と、こないだの年末年始、2度ニューヨークに行き、ブルックリンにももちろん足を運んで、このカルチャーを生で体験してきました。とても勢いを感じたし、何より楽しかった(海外旅行だしね)。なんというか、社会的にも意義のあることなんだろうし、それ以上に個性豊かなので楽しいですね。小規模なものがたくさん乱立してるから、画一的じゃないのが見ていて楽しい。ブルックリンフリーとか、スモーガスバーグは、ブランド物や5ツ星レストランとは全く別の地平で存在していて、どちらが良い悪いというよりは、どちらにもそれぞれの良さがあって良いな、というのが僕の感想でした。コーヒー屋もいろんなお店があったし、アイスやビールも、ローカルかつクラフトマンシップにあふれたものがたくさんあった。デザインも洗練されてるしねー。

インターネットによって情報が激増した今、ブランドロゴだけではものの価値が担保されない時代です。どんな哲学を持って、どういうプロセスを経ているのか。そういうバックストーリーまで含めて比較検討するのがスタンダードになった今、こういうヒップなものたちは小回りが利くので強いのだと思います。たくさんは作れない代わりに、すべてをオープンにできる。そして確かなものを作れる。そこに価値を見出す人と直接つながることで、継続性も生まれる。こういう消費者と生産者のダイレクトなやりとりこそ、ずっと欲しかったけど叶わなかったものなんだろうなと思いました。これらって決して安いもんじゃないから、買う側にもリテラシー求められるしね。

東京にもこの動きは続々と入ってきていますね。独立系のコーヒー店は溢れかえってるし、マーケットなどで生産者から直接野菜を買ったりすることも多い。さらに日本で面白いのは、地方との連携かもね。ご当地モノがいろんな形で展開されているし、日本は地方も近いから現地のヒップにアクセスすることだって可能。作家ものの器を工房を訪ねて買ってみたりとかね。

このヒップ革命は当分続きそうな気配。そして、ポートランドに行きたい気持ちがさらに増すのでありました。今起きてることがわかりやすくまとまってて良書と思います。

by april_hoop | 2015-02-25 00:00 | 出版


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