2014年 11月 25日
リー・ミンウェイが紡ぐもの
c0160283_20305853.jpgc0160283_2030564.jpgc0160283_20305415.jpg
森美術館で始まってる「リー・ミンウェイとその関係展」に行ってきました。こちら、台湾人作家のリー・ミンウェイの個展。彼は鑑賞者との関係性の中から作品を作り出すという、リレーショナルアートと呼ばれるものを多く生み出す人。実際、観客参加型の作品も多くて、普通の美術館賞とはまた一風変わった感じが面白かったです。
リー・ミンウェイとその関係展:参加するアート―見る、話す、贈る、書く、食べる、そして世界とつながる | 森美術館

代表的なものは、まず写真左、壁にカラフルな糸巻きがずらーっと並んで、そこから出た糸が手前に置かれた台の上の衣服とつながっているというもの。これ、参加者がいらない衣服を持ち込み、その糸をほどき、壁に引っ張ることで作り出されたもの。展示期間中も持ち込むことができて、そのたびに作品が変化していくもの。誰かのなんでもない服がそん原子である糸となり、それらが構築する世界というのはなんだか不思議な感じ。大きな世界の相関図みたいにも見えてくる。服の成り立ちと人のつながりという、関係なさそうなものが関係するところに面白みがあるわ。見た目にもカラフルだしね。こういう感じの参加型作品がメインになってます。

真ん中の写真は、展示室中央に花壇というか、生花がずらーっと並べられたもの。これ、鑑賞者が自由に花を持ち帰っていいもの。そしてその花を、この後出会う誰かに渡すというもの。コミュニケーションを創発し、花を通して新たな関係性を生み出すという仕組み。僕も一本持ち帰ったのですが、誰にもわたせないまま茎が折れてしまってますますわたせずじまい…。シャイさを露呈する結果になってしまいました。後から聞いたところ、虎ノ門ヒルズのカフェの店員にあげたって人がいて、そのお店、同じように花を渡された人が何人かいるそう。人の行動範囲まで測れちゃったらそれはそれで面白いな。

右の写真は、手紙を書くスペースで、実際に書いた手紙が棚に展示されている。見てもいい手紙は自由に見られるし、きちんと送りたい手紙は封をして後日郵送されるとか。これも、美術館の中という場所で、あらためて誰かを思い手紙をしたためる、という行為に意味を意味だそうというもの。そのほか、写真にはないけれど、砂で描いたゲルニカの絵を、一定の時間に参加者がほうきで砂をはき、絵をどんどん崩していくものとか、事前応募で当選した人が、リーさんといきなり食事をするとか、一緒に寝るとか、そういう体験型の作品も。どれもこれも、あまり見たことない類の仕掛けばかりでした。

通常のコミュニケーションとはまったく違う、こういう予期せぬつながりというのは、なかなかおもしろいものだな、というのが感想。そしてそういうのに直面したとき、自分の内面性とも向き合わせられるんだなとも思った。うまく反応できなかったり、面白がれたり、遠慮してしまったり、照れ臭かったり。作品が鏡のようになって自分に作用するのを見つめるのは、それもまたひとつのアートなんだなぁと。それだけじゃなく、記憶や日常の行為を見返すようなものもあって、自分の中のいろんな引き出しが刺激される展示でした。

とにかく広い現代美術の世界。いろんな作家がいたもんですね。リー・ミンウェイ、おぼえておきたいと思います。
[PR]

by april_hoop | 2014-11-25 00:00 | 文化 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : https://aprilhoop.exblog.jp/tb/24893356
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。


<< ボランティア参戦します!      感想_バクマン。(1) >>