2014年 08月 15日
会場構成は、11の章に分けられていて、それぞれに小テーマが設けられてる。そして、それを順に巡ることで一冊の本を読むように作品に触れてほしいとのこと。章立てとかは↓の開催概要に詳しくあります。 ヨコハマトリエンナーレ2014 美術館の中に入ると、いきなりでっかいアクリルの箱が出てくる。これはなんとアートのゴミ箱というれっきとした作品で、高さ7mもあるとか。で、捨てられているのはまさにアート作品たち。絵とか、彫刻とか、よくわからないものも。これは要らなくなった作品や、アーティストの失敗作など。美術作品だったはずのものが、そうでなくなってしまうとはどういうことなのか。なぜそれを放棄してしまうのか。見えない境界線が興味深いね。そしてこれ、作品を捨てる人を公式サイトで募集もしてます。完全予約制てことでその他条件はウェブをチェックで。ちなみに始球式(?)はアーティスティックディレクターの森村さんがやったそうです。 さてさて、ここまでが序章2つで、いよいよ第一話が始まる。展示は、真っ白な絵や、まったく何も描かれていない五線譜とかが並んでいる。ここのテーマは沈黙。表現をしない、という表現によってメッセージを発しているものたち。何も描かれてない五線譜は、無音を描いているんだそう。どこだかわからないところに向けて発砲される銃の絵は、対象がわからないことでその暴力性が際立ち、行為の愚かさを浮かび上がらせる。僕はグランドブタペストホテルの、終盤の銃撃戦を思い出した。一発の銃声が、すべてを台無しにしてしまうあの感じ。でも、この絵が本当にそれを表現していたかはわからない。正解はどこにもない。ただ、僕が想っただけ。 第二話は、釜ヶ崎芸術大学という、大阪の釜ヶ崎という場所に高齢者や行き場をなくした元日雇い労働者たちのコミュニティがあるらしく、そこにアートが持ち込まれているそう。その発表会がここで行われている。作ってるのは紛れもなく素人だけど、言いようのないパワーがあふれてる。彼らはいわば社会的弱者。でありながら表現は決して誰にも負けていない。 ちょっと端折るけど、こんな感じで展示は続いていく。相変わらずわかりやすいものや、見るからにポップ!みたいな作品は少ない。でも、だからこそ読み解く楽しさがある。想像する楽しさだ。まるで見当違いかもしれないけど、それでも少なくともここに来ないと出会えない類いの刺激であることは間違いないし、それは案外心地いいものだ。なんでも先回りしがちな昨今だから、予定調和を許さないこういうものに惹かれるのかも。社会的に死亡証明を出されてしまった途上国の人たちの写真とか、それだけ観たら何のことかさっぱりわからないけど、その裏テーマを知ったときの衝撃はすごかったな。あと、写真の黒板みたいなやつは、「何もすることがない」って百万回くらい書いてあります。いや、書いたんじゃなくて彫ってある。なぜ? どうして? 意味や効率というものさしでその行為を図ろうとしても絶対に答えは出ません。世の中、本当はそういうもののほうが多いよね。 展示は後半戦へと続く〜。
by april_hoop
| 2014-08-15 00:00
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ツナガール。1min.で読めるがルール。管理人エイプリル(1977年生まれ)の日々雑感エトセトラがどこかで誰かと何かをコネクトしてユナイトすることを願いつつ、であーる。 by april_hoop information
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