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2014年 08月 30日
夏の終わりの線香花火
夏の終わりの線香花火_c0160283_11315120.gif夏の終わりの線香花火_c0160283_11320100.gif夏の終わりの線香花火_c0160283_1132822.gif家族で食事をしたら、母が「サプライズがある」と言い出しました。何事かと思えば、取り出したのは線香花火。なんでもテレビで観て素敵だったから通販で買ったとか。そんなにすごいものなのか?と半信半疑で近所の公園まで家族5人、バケツ片手に出向く。

さっそくロウソクを立て、火をともし、線香花火を受け取る。あ、暗くて姿形はよく見えないけれど手にした感触からしてちょっと特別なのがわかる。紙の手触りが普通のやつとは全然違う。早速点火。       パチ    パチパチパチ      ああ、懐かしい線香花火のあの感じで静かに命を燃やし始める。そんなにすごいかな?って一瞬は思ったのだけど、いや確かに全然違う! なんだろう火花の糸のひき方というか、放物線の描き方というか、繊細でとにかく美しい。書家の字のように流麗で潔い感じ。ああ、これは見惚れてしまうなぁ。

いい大人たちが輪になってしゃがみこんで線香花火。スゴイ!とかキレイ!とかキャッキャいいながら。線香花火を手にした自体何年ぶりかって感じだし、親と花火なんてそれこそ30年ぶりレベル。すっかり涼しくなった夏の終わりの過ごし方として、とても幸福な時間でした。ありがとう、母よ。家族よ。

さて、おうちに帰って検索してみたら出てきました。福岡の筒井時正玩具花火製造所というところで作っているそうです。HPからしてこだわりが伝わるし、いろいろと解説がのっていました。今や線香花火のほとんどは中国産で、国産は貴重であること。いい線香花火を作るには、火薬の盛り方、和紙の撚り方に熟練の技術を要すること。そしてその火薬と和紙にもこだわった素材を選んでいること。かなり良い値段するけど、そこにはそれだけのこだわりが詰まっていたということがよくわかりました。ちょうど今年の夏からショップ&ギャラリーをオープンしたそう。ああ、ここはいつか訪ねてみたいなー。

お祝い用のものもあったりして、なんだかとても情緒と物語を感じさせる逸品です。来年の夏、また家族で垂らせるといいな。線香花火、大事にしたい文化ですね。

by april_hoop | 2014-08-30 00:00 | 文化


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