2014年 03月 28日
国東半島の神秘_07
c0160283_10412843.gifc0160283_10414043.gifさて、2日目も午後をむかえてようやくアートプロジェクトへ。今日のハイライトは「並石プロジェクト」。アーティストは、なんとまさかの勅使川原三郎さん。現役のダンサーであり、振付家であり、演出家であるあの方です。果たしてあの人がいったいどんなアート作品を?
国東半島芸術祭

舞台となったのは、並石ダム。山々に囲まれたそこは、静かな湖面が広がる。春の日射しがこぼれ、風が吹き抜ける。人の気配はほとんどない。だけど、そのダムの下には、集落がひとつ沈んでいるそう。このダム湖を一周すると約40分くらい。この外周に2つ、彫刻作品が展示されていた。ひとつは、小さな岩場にのびたアクリルの羽による小さな塔のようなもの。風を感じ、光を照らすような、そんな作品。もうひとつは、水のしずくをモチーフにしたガラスのオブジェが先端についた、10本ほどの小さな柱の集合。ガラスでできたそのしずくは、ひとつずつ形や色が違う。近くでみたり、遠くからみたりで、少しずつ浮かび上がる景色が変わってくる。

勅使川原さんは、ここを訪れ、その自然の変化にインスピレーションを得たのだそう。陽光の色、風の匂い、揺れる湖面、刻々と移り変わるその姿を、より可視化させるための作品となったよう。アート作品として、単独でのインパクトは決して強くない。何も聴かなければ、で? これは? って印象は否めない。だけど、これがここであることで、人は立ち止まる。そして考える。作品の奥に広がってる青空に気付く。ガラス玉の向こうにある光のきらめきを目にする。それがアート作品のひとつの役割なんだろう。その先に、はて自然とは、大地とは、そしてこの下にかつてあった暮らしとは、と想像は広がっていく。人と、自然とのかかわりかたにまで想いは及ぶ。私の今の暮らしと自然はつながっているんだろうか?って。

本会期中は、ここを舞台にした勅使川原さんのダンスパフォーマンスも企画しているとか。実現するかどうか、どういう形になるのかはわからないけど、例えば月夜の晩とかに行われたら、とても幻想的な舞台になるのかもしれないな、なんて思ったり。それにしても、本職アーティストじゃない人間が、「ちょっとアート作品つくってくんない?」って言われたらどうリアクションするんだろ。勅使川原さんは舞台美術とかにもかかわってるとは思うけど、けっこう葛藤しそう。大勢の人が目にするってのは、批判にさらされることでもあり、勇気がいることだ。表現ってものは、いつだってそうなんだろうけど、美術や文化って評価軸もないし大変だよね。

なんてこと考えるのもアートの力ってのはさすがに言い過ぎか。この旅(たった一泊二日ですが)も、残り短くなってまいりました。
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by april_hoop | 2014-03-28 00:00 | 旅情 | Trackback | Comments(0)
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