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2012年 10月 08日
近江のアートなおとぎばなし03
近江のアートなおとぎばなし03_c0160283_1122188.gif近江のアートなおとぎばなし03_c0160283_1123481.gif近江のアートなおとぎばなし03_c0160283_1124591.gif初日宿泊のホテルはちまんは、なんてことない普通のビジネスホテルだったけど家族的な経営というかフロントのお父さんが人懐っこくて好感持ったわ。お部屋はごく普通だけど清潔で思ったより広かったです。ま、近江八幡てホテルほとんどなかったけどね。てことで2日目は、もうひとつの会場・五個荘エリアへ。近江八幡駅から電車で能登川駅なるところまで移動して、バスに乗る。五個荘ってのは昔の町名で市町村合併でなくなってしまったらしいけど、そもそもはここも近江商人発祥の地だそうで、田園風景だったと思ったら突然昔町があらわれてビックリしたわ!
BIWAKO BIENNALE 2012
ぶらり『五個荘』
↑観光案内サイトがあります

中でも大きなお屋敷が資料館的に保存されていて、そこが今回のビエンナーレ会場としても使われている形。アートさんぽというよりは、なんか歴史散歩な気分でしたよ。ビエンナーレのロゴにも採用されてる昔ながらの「福助人形」が展示されてたり、近江商人たちの行商スタイルの象徴である天秤ほか昔の道具が展示されてたり、明治〜昭和にかけて大きく成長しながら敗戦で消えた三中井家の歴史は興味深かったな〜。近江商人て複式簿記のもとをつけてたり、いろいろと高度な会計システム持ってたりしたんだそうです。だけど、売り手よし、買い手よし、世間よしの「三方よし」(売り手と買い手だけでなく、世間=社会にとってよいことを重んずる)の考え方を持っていたり、質素倹約に勤めていたりという規律正しい面を持っていたそう。そのひとつの表れとして、各商家に「家訓」がきっちり定められていて、そういうものを残して奢ることなく代々心意気を受け継いでいたそうな。それでもこんな風に過去のものになってしまっているのは切ないけどね。正しさが金儲けに負けたのか!?

とまあほんと、アートがおまけみたいになっちゃうけど、アートがなければこのような知られざる町にも来ないからありがとうってなもんですよ。このエリアも全部で8軒の家にさまざまなアートが点在。記憶に残ったのは作家名忘れたけど「豆光別邸」にあった「ワンクッション」て作品。畳の部屋にぽつんと置かれたふっくらしたクッション、座ってみるとなんと大理石だった! タイトル含めたギミックが好きだったわ。あと遠くは慣れた「中山道三軒町」にある相本みちるさんの「心界魚」ってのも悪くなかったよ。軍手でこういうのを作りますか!と。ここだけすごく離れているので行くかどうか迷うところだと思うけど、行って損はないかと(ただ絶対行った方がいいとも言えない)。ここ、お茶もできるので休憩目的で行くくらいならいいかと思います。それから寺田忍さんの「塚本酒店倉庫」にほどこしたインスタレーションも、説明を読んでから見ると感じ入るところあり。どう進化するのか気になります。「土田邸」には奈良美智フォロワー?と思われるような陶芸作品のうさぎが。ボディには「NO NUKES」と耳無し芳一ばりに刻み込まれてたのでそういうことなのかと。

近江八幡エリアに比べると、町がより静かだからか、アート作品も少し小粒かなぁという印象が。ひとつひとつの拠点がけっこう離れてたり、アート以外の要素(町並みや資料館、同時開催してた「日本のかたち展」)に呑まれちゃってた部分もあったかもねー。でもま、それでものどかなお散歩は悪くなかったですけれども。

by april_hoop | 2012-10-08 00:00 | 旅情


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