2012年 09月 11日
感想_最果てアーケード(1)(2)
c0160283_9583585.gifc0160283_9584380.gif小川洋子さんが原作を書きコミカライズされた有永イネ『最果てアーケード』1、2巻読了。世界の片隅にひっそりと佇む小さなアーケード。持ち主を亡くしたものばかり扱う特別で不思議なお店たちの大家さんは、今日も店主たちとの小さく愛おしい日々を過ごしている。
BE・LOVE|最果てアーケード|作品紹介|講談社コミックプラス

先に小説を読んでしまっていて、後からコミックの存在を知ってすぐに買い求めたよ。そもそもはこのコミックにするための原案だったんだよね。でも小説を読む限り、この小川洋子イズムが浸透しまくった話をマンガで表現しきれるのだろうか?という不安と興味が半々。で、開いた印象としては、「やっぱ無理だわ」という感じ。マンガのほうが、大家の少女はちょっとオテンバな感じで、それはそれでマンガっぽいんだけど、小川洋子っぽくはない。そのあたりは先入観持ち過ぎているのが問題だったな。

そういうわけで、小説にあった密やかな親密さは、まったくと言っていいほど感じ取れなかった。果たしてこのマンガだけ読んだときに、この物語から何を汲み取るんだろうかと。時制をシャッフルした構成も同じ、基本的な設定も同じ、だけど小説ほどに言葉を費やせないマンガにおいて、物語に漂う匂いや儚さのようなものを画にするのは至難の業だったに違いない。ドラマチックな展開や、派手な動きというのはそもそもないからね。

だけど、2巻まで読んで、小説で読み落としていた信じられない事実に気づく。え、大家さんて、、そうだったの!? この大オチを読み落としておきながら、マンガじゃやっぱ小川節は表現デキマセンネ!なんて偉そうに思っていた自分を超恥じたわ。うーん、そうか、そういうことか。小説とは手触りがまったく違うものになったけど、このオチがあればこの静かな物語もマンガとして十分魅力的になるんだな。慌てて小説読み直したよ。

有永イネさんというのはまだお若い方なのかな? プロフィールがわかんないけど、画はどこかで観たことあるような印象。『蟲師』っぽいような違うような(お話の性質が似ているからそう思うのかも)。というわけで、マンガ単体よりは、同じ世界を共有しながらアウトプットの違う小説とあわせての鑑賞をお勧めします。どっち先がいいかはなんとも言えないけど、個人的にはマンガから入って小説アウトの流れがより楽しめるのではないかと。いやーいい読書経験でした。
[PR]

by april_hoop | 2012-09-11 00:00 | 出版 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : https://aprilhoop.exblog.jp/tb/18448706
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。


<< PERL GIRLに会いにいく。      なでしこ黄金時代期待 >>