2012年 06月 20日
さてさて報道写真展と一緒に行って来たのが、同じ写真美術館の2階で開催されていた川内倫子展『照度 あめつち 影を見る』。時代を代表する写真家・川内倫子の2011年発表の『Illuminance』、最新作『あめつち』『影を見る』からの展示と映像作品で構成されてたお。 東京都写真美術館 川内さんの写真はあちこちでちょこちょこ観ていたけれど、まとめてちゃんと拝見するのは初めて。柔らかく光をつかんだガーリーな写真というような印象もあるけれど、実際はそんなチープな言葉じゃくくれない、とても世界観のある光を捉まえる方なんだな〜というのが第一印象。そして、とにかく前後の物語の匂いたち方がすごいと思った。川内さんは、動くものが好きなんじゃないかなー。 つまりは光であり、人間であり、自然であり。すべての有機物たち。どこからか来て、どこかへと向かう途中の一瞬を、彼女は写真というものに焼き付けているように思います。もちろんすべての写真が同じ行為をしているんだろうけど、こうしてプリントを観た時にここまで明確に前後のストーリーを意識する写真て決して多くないと思ったんだよなー。今回やっていた野焼きの写真なんかにしてもそう。炎がゆらめき、空を焦がしゆくその様が、1枚の写真なのに明確に前後のイメージを伴って入り込んで来るんですよ。映像作品はそれをまさに具体化したものだったように思いました。あれは、鑑賞者の影が入り込むのも計算した展示だったよね?(違う?) 前にトークイベントで彼女の話し振りを聞いた時も、芯の強さと、それゆえのしなやかさ(そして裏を返すとやっぱり核の強さ)、明確なビジョンとかはっきりした意志も感じたから、余計に写真がそういう風に見える気もします。いやー世間の評価も頷けるいい写真展でした。7月16日までやってます。 ちなみに3階では、写真美術館のコレクションから『光の造形~操作された写真~』という、写真初期のいろんなギミックを紹介していたけど、こちらはあんまり面白くなかったので割愛しますね(ゴメン★)。
by april_hoop
| 2012-06-20 00:00
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