2012年 03月 13日
小値賀島の記憶さめやらぬところに飛び込んできたのは、教会建築の企画展情報。あれ、このビジュアルはもしや! まさに10日前に行ったばかりの旧野首教会じゃないか!! なんとこの展示、この教会をはじめとした九州の教会建築を最前線で担った鉄川与助を振り返るものだった。タイムリーすぎる〜、行くしかない〜、と今日知って今日のランチがてら行ってきた。 INAX | INAXについて | 文化活動 | INAXギャラリー | 巡回企画展 | 鉄川与助の教会建築 -五島列島を訪ねて- 展The Church Architecture of Yosuke Tetsukawa 写真パネルと、設計図や鉄川さんの私物などの資料と、映像からなる小さな展示だったけど、すごく興味深かったな。禁教により五島に追いやられ、そして抑圧された信徒たちの歴史。明治に入ってからも宗教の自由が認められるには時間がかかり、しかしそれゆえに解放されたときの隠れキリシタンたちの想いが放出・集積され形となったのが教会だったそう。 鉄川さんは父も大工で、若い頃にペリーさんという宣教師の教会建築を手伝ったのが出会いだそう。大いに刺激を受けて、ほどなくして棟梁として教会を手がけることになり、試行錯誤しながらの2作目が旧野首教会。初めてのレンガによる建築だったそうだ。だけどこのレンガは普通の木造建築を覆う壁でしかないらしい。未知の世界だったろう西洋デザインを、培った東洋の技術によって成立させたものなんだって。ここからいくつもレンガ建築を手がけ、そのたびに優れた教会を生み出して行ったという変遷が写真と解説でよくわかる。次の教会ではレンガの積み方に変化が見られ、装飾性が増し、さらにいろいろな様式を取り入れるようになっていく。なるほどね、うわー、わくわくする。そういうディテールを知っていたらもっと楽しめたんだけどね。 鉄川さんは仏教徒だったというから、教会建築への情熱というのは信仰心からきたんじゃなく、あくまで大工としての探究心だったんだろうな。見て、知って、実際に作ってみて、理解して、また新たに作っての繰り返し。大工として建築家としてとても勉強熱心だったという記述もあったし、見知らぬ西洋からやってきた造形、技法を取り入れて進化させていくのはさぞ楽しかったんだろう、というのが容易に想像できる。教会のバリエーションも明らかに増えているからね。 やっぱり五島や本土にあるほかの教会も巡りたいな。世界遺産になるのかどうかはわからないけど、そのくらい価値のある遺産なんじゃないかな、と思ったわ。いやー大満足。しかし縁はつながっていくぜ。 本題からずれるけど、INAXって知らない間にトステム系と合併してLIXILって会社になってたわ。ブランドは一応残ってるみたいだけど。
by april_hoop
| 2012-03-13 00:00
| 文化
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ツナガール。1min.で読めるがルール。管理人エイプリル(1977年生まれ)の日々雑感エトセトラがどこかで誰かと何かをコネクトしてユナイトすることを願いつつ、であーる。 by april_hoop information
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