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2012年 03月 01日
本と紙と、物語と_23
c0160283_72387.gifTwitter経由で、『HUgE』のリニューアルをキャッチ。発売を前にして、HPに編集長のコメントが載っていた。カッコイイだけが基準のファッション誌を作ると。マーケティングや広告におもねることない編集第一の本にすると。カッコイイに国境はない、そのカッコよさが唯一絶対だと。その宣言に期待して発売日に手に取って読みました(1500円て高っけー!)。最近のを読んでなかったから前後を比較できないけど、全然ピンと来なかったというのが正直な感想。
講談社 HUGE | COLUMN

「カッコイイ」って実に難しい価値観だな。「カワイイ」もとらえどころがないけど、それ以上に難しい。20年前は違ったかもしれない。カッコイイのは、ギターを弾くことと、おしゃれをすること、の2択と言っても差し支えなかったのかもしれない(大いに語弊があると思うけど、例えばそういうことだとして)。でも今はどうだろう。アンチヒーローの時代もけっこう前に過ぎていき、モテたくてFacebook作ったザッカーバーグも格好いいかもしれないし、熱愛発覚しちゃったきゃりーぱみゅぱみゅもあれはあれで格好いいじゃないか。香川も長友も本田△もイカスと思うけど、芥川賞の田中さんだって相当クールじゃん。ギークもナードもメイドもある種格好いいし、でもやっぱ無欠のヒーローだって格好いいと思うんだぜ。

マスなき今、格好いいのモデルももはやない。個々がそれぞれの格好いいを標榜するのは今も昔ももちろん自由で、ただそれはものすごく細分化されたんだなぁ、と改めて実感したのです。『HUgE』は有名スタイリストが、ビッグメゾンの洋服を、外人モデルで、そしておそらく高名なフォトグラファーが、多分どこか異国で撮影していました。それ、格好いいかな? 格好いいと思う人もいて、格好いいと思わない人もいて、ということなんだろう(さしあたって今号を格好いいとは、オレは思わなかった)。

『HUgE』が格好悪いということではなくて、その格好いいの価値観をどれだけの人に響かせられるんだろうか、と思ったのです。ひとりにしか刺さらない格好よさだとしたら、それははたして格好いいのだろうか。万人に支持される格好よさがあったとしたら、ところでそれは格好悪いことではないのだろうか。なんにしても格好よさというのは、人前で声高に謳うようなものじゃなくなったのかもしれないと思う。格好よさがまだよくわからない時代はよかった。でも今はみんなそれなりに格好いいがなにかを知っているし、それを個人で発信もできるようになってしまった。それでも雑誌を通して伝えるべき格好よさがあるんだろうか。

単に自分がおっさんになっただけのことかもね。でも答えのひとつは、物語性なのかもしれないなと思う。格好いいに意味も理由もない。格好いいものは、確かに格好いいのだから。でも、この情報過多の中、ただそれだけで格好いいというのは成立しにくい。『HUgE』にしてもそう、もしも編集長の言葉がなかったとしたら、なおいっそう共感しにくかったかもしれない。説明を求めるわけじゃないけれど、背景が見えないものを鵜呑みにするには、あまりに情報が増えすぎたよね。

着地しなくて申し訳ないけど、いやほんと、格好いいの価値観て難しいわ。

by april_hoop | 2012-03-01 00:00 | 閑話


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