人気ブログランキング |
2012年 02月 22日
本と紙と、物語と_22
c0160283_846475.gif雑誌編集やってて、企画立案がすべての起源だから最重要だと思います。でその次に重要と思ってるのが、ラフ(絵コンテ)の作成。企画の中(すなわち頭とかハートの中)にある伝えたいことを、どう強く深く読み手に伝えるか。それを可視化する具体的手法がデザイン、レイアウト、という部分だと考えると、その大元の設計図になるラフの重要性ってのは必然的に高まるわけで。もちろん最終的にそこにどんなコピー、原稿を載せるかも同じくらい大事なんだけど、書籍と雑誌の大きな違いはそのビジュアルなわけで。書籍は読む前提だけど、雑誌はパラパラめくる、見るとも見ないとも眺める、の後に読むがくるメディアだと思います。

おっと、堅い立ち上がりになっちまった(絵コンテの話はまたいつか)。今日言いたいのはもっと俗っぽい話で、要するに格好のいいデザインでシャレオツを気取りたいな、って思ったりするわけです。イカす写真や、驚きのあるレイアウト、ギミックのあるワーディングなどなど。そのための参考として他の雑誌を見たり、レイアウト集のような本を見たりしてインスピレーションを探すのだけど、これいい!って思うようなレイアウトをしている雑誌ってことごとく休刊になっているという事実。メジャーどこでいくと、relax、STUDIOVOICE、エスクワイア、title、とか。あまり知らないところでも本当にたくさん。

ざっくり言うとサブカル系(メインカルチャーでもあるか)なんですよね。こういう媒体は、抽象表現も多いし、視点や切り口がエッジィだから実用性には乏しい。生きてくためには必要ないけど、こういうのが人生のゆとり、とまでは言わないけど、婉曲的なものって優先順位低くなっちゃうんだろうなー。お金を出して買うものじゃないのかな。ただでさえネット、スマホに時間を取られて雑誌を見る時間というのが減っているところ(主観予想です)、瞬間的にパっとわからないものって遠ざけられてしまうのかもしれません。単館系の洋画とかにも同じことが言えそうだ。

今、ウケがいい雑誌デザインて、あくまで主観的感覚だけど、とにかくわかりやすいもの。例えば超わかりやすい写真を使う。おいしそうなごはんなのか、素敵な景色なのか、おしゃれな洋服なのか。そしてその具体的効果が記される。いくらで、限定のなにかで、世界遺産で、いちばん人気で。より単純な記号をなるべく大きく配置しないといけなくなっているんだよな。読者に迎合というと角が立つけど、マーケティング視点になりすぎているという危機感があります。危機感とういか、本当はもっと啓発的・挑発的でありたいという思いとの折り合いの付け方が難しいです。でもやっぱ買ってもらってなんぼだしー。って媒体によると思うけれども。

こないだ『spring』立ち読みしらファッションの教科書みたいな作りになってて驚愕した。昔はもうちょっとオシャレっぽかった気がしたんだけどずいぶん路線変わってたんだね。これが時代かー。洒落乙雑誌よ、どこへ行く。ZINEとかリトルプレスでしか生き残れないなんて哀し過ぎるぜ。

by april_hoop | 2012-02-22 00:00 | 閑話


<< ドラマ_最高の人生の終り方(6...      アソブチカラ >>