2012年 02月 06日
今出てる『pen』の「1冊まるごとコム デ ギャルソン」特集読んじゃいましたよ、と。意外な水色ドットのカバーはインパクト十分。ギャルソンつったら黒かと思ってたけど、春の青山店のマイチェンに関係しているとかいないとか(penのTwitter情報)。中面は3月にできる「ドーバーストリートマーケット」に始まり、川久保さんのインタビューあり、過去の歴史とブランド解説、最新ルック、空間デザインやその他クリエイティブのあれこれ、とギャルソンの今昔をパッケージ。 「1冊まるごとコム デ ギャルソン」ちら見せします。 | Pen Online ギャルソン、好きだけど古着でちょろちょろ買ったくらいでコアなファンでもないし、なんとなくおしゃれかな的ミーハー気分でしかなかったので、ヒストリーとかブランドの棲み分けは全然知らなかったからちょうどいい勉強になった反面、突っ込んだ掘り下げはなかったなぁというところ。あくまで編集部側からみたギャルソンの解釈とか、考察が主になってて一般論ぽく読めてしまった。実際に川久保さんが何をどう考えてギャルソンのすべてを作ってきたのか、という思いや哲学の部分まではわかんなかったなー。メディアにあんま露出しない川久保さんだからなのか、インタビューもふわっとしてて本質には辿り着けてなかったように感じた。時間が少なかったのか、あまり答えてもらえなかったのか、どちらにしても巻頭の掴みとしては弱かったのが残念。その先も、ブランドのチェックが厳しいのかなんなのかはわかんないけど、森本千絵特集とかと比べると物足りなさが残ったな。ビジュアルページが多くて読むとこ少なかったからかも。 で、そういえば年始くらいに川久保玲のインタビューがネット上を賑わしてた気がするな、と思って検索したらあったあった、朝日新聞の記事だったか。 朝日新聞デジタル:川久保玲さんロングインタビュー ファッションで前に進む - ビューティー - ファッション&スタイル 思わず全文読みたくなって検索したけどすぐに拾えなかったから、2ヶ月無料に釣られて購読登録してしまったw こっちのほうが断然フィロソフィーを感じられたなー。ネット見てると前から大体一貫してこんな感じの発言らしいけれども、実際に共感ポイント多い。いつの頃からかオンリーワン>ナンバーワンな風潮が日本を覆ってたけど(SMAPの歌が売れた頃からか)、最終的に一番になれるかどうかは別としても、ナンバーワンを目指さずしてオンリーワンになれるとはとても思えないんだわ(って何度も言ってますね、ボク)。それと、もの作りに対する考え方。いいものにはお金がかかる。効率では得られないものがある。まったくその通りだと思う。払うべきところに、正しい対価を払うこと。本質的な意味でのフェアトレードみたいなことは、最近すごくよく考える。そりゃ自分のことだけを思えば、なるべく安く買えるにこしたことはないけれど、サービスにしてもプロダクトにしても、そのもの自体なり仕組みなりを恒久的に維持するためにはお金を払うことが必要だし、長い目で見ればその積み重ねが自分にも返って来るはずだものね(税金の考え方になるってことか?)。 ギャルソンの服はアヴァンギャルドだし、高いし、誰でも着れるもんじゃないけど、こういう強さ、鋭さみたいなものは見習いたいし、異端や極端なものがあってこそのスタンダードとかだものね。「そんなに強くはないけど、強気のふりも時には必要」というような外界に対するはったりにも共感できます。そうやってケレンミを出して無理して前に出ないことにはなかなか進めないもんな。それを世界を相手に実践し、そして評価を獲得していることにものすごく尊敬の念を抱くわ。あと、最後にひとつ部分的に引用をば。 ――最新コレクションは白一色。驚きました。どんな意味を込めたのですか。 「15分間のショーで表現できることは限られています。今回は、白だけに絞り込むことで、もっと強さを打ち出したいと思ったのです。そこに込めたものは、希望のような気持ちかもしれません。現実は良いことばかりではなく、悪いこともあって、それも人生。そこから解き放たれることがいま大事なのではないか、という問いかけです」 まさかギャルソンからこんな発言を聞くとは思わなかったし、ここがいちばん刺さった。いい日だけではない、悪い日があるからこその美しさが、この世界には確かにあるということ。白がそのまま希望なのではなくて、コム デ ギャルソンが示す形は、多分ひとつの可能性でしかないということ。例えば川久保玲が考えるこういう服=美しさも、世界にはありえる。だとしたらあなたは何を着るのか=何を美しいと思うのか。着ることは、生きることなんだな。 無性にギャルソンの服が欲しくなっちゃったぜ(多分なんか買うw)。 あと参考に2002年のNHKの番組がYouTubeにあがってたのでリンクはっときます。6本にわかれてます。 NHKスペシャル 世界は彼女の何を評価したのか ~ファッションデザイナー 川久保玲の挑戦~
by april_hoop
| 2012-02-06 00:00
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ツナガール。1min.で読めるがルール。管理人エイプリル(1977年生まれ)の日々雑感エトセトラがどこかで誰かと何かをコネクトしてユナイトすることを願いつつ、であーる。 by april_hoop information
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