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2012年 01月 29日
感想_僕等がいた(10)(11)(12)
感想_僕等がいた(10)(11)(12)_c0160283_22413369.gif感想_僕等がいた(10)(11)(12)_c0160283_22414314.gif感想_僕等がいた(10)(11)(12)_c0160283_22415778.gif『僕等がいた』公式応援サイト ver.Winter
10巻。東京に行った矢野に何が起きたのか。東京での生活に慣れ、帰省資金を貯めようとバイトに明け暮れる矢野。クラスメイトの千見寺が矢野に急速に惹かれ始める中、北海道から山本が突然現れた。そして、矢野にはさらに過酷な運命が待ち受ける。

矢野が消えたことがわかってるうえで、すぐにこんな種明かしをするというのってどうなんだろう。漫画ってメディアに向いてないつーか、映像ならいざ知らずこういう時制の動かし方は効果的じゃないように思うわ。 しかもなんか、矢野に次から次へと逆風吹きまくりで、なんかかわいそうすぎるぜ。それから、山本ネタをここまで引っ張るというのもなんともなー。奈々への未練ならまだしも、山本が何を考えているのかを伏せたままこういう展開というのはどうもな。そもそも山本と矢野が寝たとして、その前後の状況は結局ボカされっぱなしだし、なんか納得いかんのよね。千見寺ちゃんは魅力的だけど。

11巻。矢野が高橋に会いに行こうとした日、矢野の母が命を絶った。みずからを責める矢野。そして彼は消えた。そして現在、偶然の導きにより同じ出版社で働く高橋と千見寺だったが、千見寺は取材先で矢野を見つける。その頃、高橋を支え続けた竹内はプロポーズすることを決めていた。

ますますディテールのゆるさが気になる展開。やっぱりキャラクターをきちんと立てないままに急展開を続けたツケだと思います。高橋ってさ、出版社を志望するようなキャラだったとは思えません。竹内と高橋はいったいどういう付き合いをしているんだろう。ヤったの、ヤってないの? 漫画だからファンタジーでもいいの。竹内君が4年も5年も高橋の手も握らないまま付き合っていたとしてもいいの。でも、なぜそうなるのかのディテールをきちんと描いてほしいの。竹内と高橋はそういう人間なんだ、って読者を説得してほしいの。そこにリアリティをもたせてくれないと、ファンタジーが輝かないのだよ。だから、多用されるモノローグでどんだけ思わせぶりなこといってもちっとも響きやしませんぜ。

12巻。矢野の居場所がわかっても、高橋は会いに行こうとはしない。矢野が会いに来ない以上、矢野の決めたことを尊重したいから。しかし、矢野は山本と同じ部屋に暮らしていた。ふたりに、なにが起きたのか。

性懲りもなく、まだ出てくるかね、山本。しかもいまさら色々肉付けされて。なんつーか、山本に全然興味持てないんですけど。なんかね、作者が山本に肩入れしすぎているように思うわ。"誰かに愛されて必要とされたい"と願う気持ちってのは、本来感情移入させやすくて、山本はもっと人気出てもいいキャラのはずだけど、今までないがしろにしすぎてるから全然ぐっとこないぜ。だいたいメイクで顔変わり過ぎだよ。別人過ぎるよ。

後編にきて、話があっちこっち振れすぎて、まとまりないように感じる。主人公であるはずの高橋がこの3巻、ほとんど置き去りだし。周辺キャラを描くのは大事だけど、主人公不在のままというか軸が見えないままだからなー。このいろんな寄り道が回収される気がしないわ。これ、映画はよほど脚色しないとまとまらない気がします。

なんか誰も幸せにならない中途半端な結末になりそうでやだわ。高橋は矢野と、竹内は千見寺と、素直にくっつけばいいじゃん。山本は海外にでも行っておいでよ。それがみんなが望む結末だよ。

by april_hoop | 2012-01-29 00:00 | 出版


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