2011年 08月 30日
仙台から戻った翌日に再び京都へ。ここんとこ比較的涼しかったらしいけど、オレが滞在した3日間は最高気温35度近かったという(朝晩は涼しかったけど)、サニーマンことエイプリル。夏が去るのは淋しいのでここでしがみつけてよかったー。 吉田山の麓にある吉田山荘。昭和の初めに建てられた、東伏見宮家の別邸だったこの建物、今では料理旅館として京都でも知られた存在に。和と洋が入り交じるしつらえは建築的価値も高いようで、今も変わらぬ姿を守り続けている。京都らしいなぁ実に。意匠の細かいところまで見所がたくさんなる宿で、食事も宿泊も値は張るけど、それだけの価値がある場所だわ。 古いものを守る、受け継ぐということ。懐古主義のつもりはないけど、時間ばかりは誰にも生み出せないもの。古ければいいってもんじゃなく、残るべくして残った価値のあるもの。そういうのがこうして残されているから京都ってのはいいんだろうなぁ。この山荘しかり、西洋建築の昭和初期のビルや、もちろん世界遺産になるような寺社仏閣もそうだし、町家にしても老舗のお店さんにしても。100年じゃまだ新しいって言われちゃう世界は、日本じゃ京都くらいのもんですね。少なくとも東京にはない。 長い時間がたつってことは、それだけ人の手がかけられているということでもある。今じゃこの建物を維持するのは本当に大変みたい。今の生活スタイルになるべくあわせながら、どうしたって傷んだり汚れたりするものをケアし、直していくということ。ただ古いのではなく、想いが込められて行くその過程を思うとなんともロマンがあるものよ。こういうものがあるからこそ、新しいものが生まれるのだろうし、この過程を知らずして本当にいい新しさというのは生まれ得ないのかもしれないね。時の洗礼を受けたものにしかない威厳とか、重厚さというのは説得力あります。 旅館の横には、かつては車庫だった建物がティーサロンに。宿泊は経済的に難しくてもここには立ち寄れるはず。見渡せば大文字さんや、比叡山もすぐそこ。なんてすばらしいロケーションなんでしょうか。切った貼ったでも、スクラップ&ビルドでもない、受け継ぐという文化。新しいものがもちろん好きなわっちですが、過去の集積を形にして目の前に広げられると胸がいっぱいになります。立派な所でした。
by april_hoop
| 2011-08-30 00:00
| 旅情
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