2010年 10月 09日
屋久島紀行08
c0160283_037594.jpgさて、屋久島のメジャースポットを回って、人々の話をいろいろと聞いて思ったこと。屋久島は今、年間30万人とかの観光客が来るらしいけど、そのほとんどが縄文杉だったり白谷だったりを目指すことで、オーバーユースが問題になっているんだって。夏休みから9月の連休はとにかく大混雑だとか。で、保護するための世界遺産なのに、その肝心の自然環境が変わって来てしまっているって。世界遺産に登録されてからの変わりっぷりは異常だとかで、ある人によれば、今の縄文杉はもう世界遺産に値しないとも。むむ〜。

具体的な問題は、まず何万人もが歩くことによる踏圧が草木にダメージを与えている。登山道を設けてはいても、それ以上に人がきて、すれ違うときは道を外れたりして、と。縄文杉回りは展望デッキが作られたけど、それって景観もよくないしね。次にトイレの問題。トイレは一応用意しているけど、キャパ以上の人が訪れてるうえ、糞尿を人力で下ろしているという現実も。バイオトイレもあるけどその許容も余裕で越えてしまってるとか。ピーク時は女子トイレ40分以上待ちになるともいうし。ツアーガイドの質もピンキリでクレームになることもあるとか。あとは登山客のマナー。軽装で入って怪我する人から、まあけっこう酷いらしい。最近は減ったけど、以前は遭難も多かったとか。テントや山小屋もトラブル多いそうで。

屋久島はこれって産業もなく、観光に頼らなきゃいけないという事情から、行政としてはそれでも島に人を呼びたいという気持ちがある。しかし人が増えれば環境にはダメージ。というねじれを抱えてて。たださすがに、入山の人数制限とか、島に来る人から一律の入島料をとるとか、そういう案が検討されてるんだとか。実際、知床は来年からピーク時の人数制限するらしいし、白神はまったく入れないところあったりだったよね。ガラパゴス諸島も危機遺産指定されたのが、かなりの締め出しをした末にようやく危機遺産から外されたようだ。

しかしこの問題はほんと難しいね。自然を守るべきというのは簡単だけど、じゃあどうやって観光業でかろうじて成り立つ島民の暮らしを守るのか。そもそも自然を守りたいなら人を入れない方がいいにきまっているし、でも自然を愛するから山に入りたいって気持ちは尊重されてもいいと思うし、そもそも人間だって自然の一部と考えたら入っちゃダメなんてのも変な話だし。さらに別の視点だと移住者が増えると、島独自の文化なんかも損なわれてったりっていう側面もある。島の人口ってこの10年変わっていないそう。でも子供たちは島を出て行っているし、老人は亡くなっている。その分を移住者が補っている計算なんだとさ。ちなみに島出身の人は、縄文杉にも白谷にも入ったことない人がいっぱいいるとか。そもそもは神の山だから。ま、文化って蓄積だから、それが一概に良い悪いではないけれど、島の独自性は残ってほしいよね。むぅ。

屋久島の自然が圧倒的すぎて、自分と自然との距離感とか、全然わかんなくなっちゃった。抗いようのない自然のパワーの前で果たして人間の役割とはなんなのか。共生するってのは本当に難しいです。せめて山の迷惑にならないように、気をつけないとなぁ(でも結局トイレは使ってしまった。募金500円で贖罪になんてならないよね)。
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by april_hoop | 2010-10-09 00:00 | 旅情 | Trackback | Comments(0)
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