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2009年 12月 25日
感想_トロムソコラージュ
感想_トロムソコラージュ_c0160283_23552096.jpgコトバのチカラに呑み込まれる〜。谷川俊太郎『トロムソコラージュ』読了。トロムソとはノルウェーの都市。ここを訪れたときにしたためた長編の表題作を含む詩集。書き下ろし含めてどれも長編で、物語性を強く感じる作品。
谷川俊太郎『トロムソコラージュ』|新潮社

なんだろこのタイトル?って思ったけど、都市名だったとはね。ノルウェーかー行きたいなー。って感じで谷川俊太郎先生です。初っ端の表題作からしてニヤニヤしたくなるようなイメージの奔流に持ってかれたなぁ。そこでそうきちゃうの?っていう自由詩ならではであり、谷川先生だからこそなんであろう言葉たちがぐるぐると。パワーがあるのに軽やかで、まあこの中に意味を求めちゃうのは至難の業だけれど、そういうの抜きに楽しいなぁ。力強いなあ!

その他の作品は相当にストーリー性が強く、ファンタジックであれどもちゃんと情景が映像として浮かぶし、まっとうな展開もあってこれもまた楽しめる。

「いまここだけにぼくは生きてる」男は言った
「昨日も明日もぼくにはないんだ
この世は豊かすぎるから美しすぎるから
何もないところをぼくは夢見る」
(『詩人の墓』より)

このフレーズが妙に刺さった今日この頃。

コトバの力ってのをやけに強く感じた詩集でした。いったい先生はどんなふうにこれらの詩をつづっているんだろう。ものすごくひとことひとこと推敲しているのだろうか。それともさらさらとイメージのままに描きつけているのだろうか。はたまた?

オレも詩が描きたいなぁ!

by april_hoop | 2009-12-25 00:00 | 出版


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