2005年 12月 31日
東野圭吾『十字屋敷のピエロ』読了。ホントは何書くかちょっと迷ったけど、今年は私的東野圭吾元年につきコイツで締めたいと思います。 ま、いわゆる本格ミステリー。金持ちの一風変わったお屋敷で起こった殺人事件。設定はちと古いか。主人公水穂の視点をベースにしながら、キーパーソン代わりにピエロの視点が挿入的、補足的に用いられる。ピエロはあくまでピエロなので、余計な推論等はなく、ピエロの目に映った事実のみが客観的に語られる。このピエロ、"不幸を呼ぶ"なんていわくつきなだけあって、作為的な感じは否めないけど、それを踏まえた上で、巧みに使いこなしてマス。思うにこれまでの東野作品もピエロがちょいちょい出てきてたね。 ヒジョーによくできたお話で、真犯人を導く過程はお見事。見るからに怪しげな現象と、なにげな?くスルーしちゃう言動等の中にキーワードがちりばめられて、それらが徐々に形を成していくプロットは、さすが。読んでる途中は、あの「オリエント急行殺人事件」的な印象を受けたけど、最終的にはちと違ったね。余韻の残し方も氏ならではの作風。事件解決で一件落着としないところが最大の魅力ですな。 さて、ネタバレですが、本作で一つだけ気になる事があって、真・真犯人はなぜすべてを知っていたかってこと。感受性が強いから、なんてのはミステリーとしては弱いでしょ。推測するに、車椅子からの視点は、健常者のそれとは異なっているはず。となると、ミラートリックの際も、入射角にズレが生じる関係で、どこかに違和感を残してたんじゃないのかなー。悟浄も、しゃがんだりしながら調べてたみたいだし。 なーんてちょっとかぶれた風を装いつつ、2005年を締めくくりたいと思います。定期的にのぞいてくださる方、たまたま辿り着かれた方、来年もどーぞよろしく!
by april_hoop
| 2005-12-31 00:00
| 出版
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ツナガール。1min.で読めるがルール。管理人エイプリル(1977年生まれ)の日々雑感エトセトラがどこかで誰かと何かをコネクトしてユナイトすることを願いつつ、であーる。 by april_hoop information
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