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2006年 04月 05日
感想_ウランバーナの森
感想_ウランバーナの森_c0160283_043446.jpg初めての奥田英朗『ウランバーナの森』読了。何から読もうかと考え、これだけ名の知れた作家ならきっと気に入るだろうし、とりあえず最初の作品から読もうと思いまして。

主人公ジョンは、明言こそされないけれど、ジョン・レノンがモチーフ。そのジョンが軽井沢で過ごしたある夏の物語。ひどい便秘に悩まされるジョンは、病院のそばの森の中での不思議な体験を通して、さまざまな過去と向き合っていく。やがてジョンの周囲の人間も巻き込んで、それぞれの過去と対峙する。で、大事なものを取り戻す、て感じ。

なんだろ、別段面白かなかったけど、ポテンシャルを感じる作品だった。ファンタジーな要素と日本の伝承を絡めつ詰め込みつつ、軽やかに深層心理を切り取っていく感じ。序盤から中盤はリズムが悪かったけど、最終的な着地点はなかなかに素敵でった。いんじゃない、この感じ。

個人的に、村上春樹の初期作品と似たような印象。テイストが、ってんじゃなくって、未開拓な感じが。未完成なんだけど、次回作に期待したくなるような。ってベストセラー作家に向かって今さら言う事じゃないのは百も承知ですが。

てことで、今後読み漁ってく事決定。

by april_hoop | 2006-04-05 00:00 | 出版


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