2007年 07月 08日
感想_夜明けの街で
c0160283_0291575.gif理系の恋って感じするなー。東野圭吾大先生の新刊『夜明けの街で』読了。渡部の勤める会社にやってきた派遣社員の仲西秋葉。不倫なんてするやつは馬鹿だ、と思っていた渡部だったが、彼自身がその領域に足を踏み入れることに。しかし、秋葉の家は15年前に殺人事件が起きており、秋葉は容疑者の1人だった…。

ミステリ要素の占める割合がどんどん小さくなる東野作品。この本なんて、不倫のダシになっちゃったよ! でも読ませる力はさすがで、不倫男の胸の内がどう決着するのか見届けないと気が済まない。しかもこれだけ恋愛感情を募らせながらも、そこに大人がどうしても持ってしまう打算や狡さを織り込むところは氏らしいね。

だがしかし、やっぱり理系の匂いは拭えてない。だって渡部のあらゆる感情が論理的に過ぎるんだもの。「理屈じゃない」という言い分すら客観的に自己分析できちゃってるから、どうしてもロジカルなんだよねー。別に共感できないってことはないけど、口でいってるよりも冷静に見えちゃって、その熱がこっちに伝染してこないのだよ。

女性の描き方は相変わらずもう一歩かな、というところで、恋愛小説としてはややパンチに欠けるなってのが正直なところですわ。サイドストーリーの「新谷君の話」は面白いです。
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by april_hoop | 2007-07-08 00:00 | 出版 | Trackback | Comments(0)
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