2008年 10月 06日
感想_アルキメデスは手を汚さない
c0160283_017156.jpg時代の差ですかなー。小峰元『アルキメデスは手を汚さない』読了。高校2年の柴本美雪が死んだ。表向きは病死とされながら、その真相は子宮外妊娠による中絶事故死。さらに、美雪の同級生の弁当に毒が混入され、その被害者の姉の不倫相手が殺されるという事件が続く。はたしてこれらの事件の真相は。美雪の父、刑事の野村と大塚、教師の藤田。そして高校生たち。世代をまたいだ彼らの前に横たわる隔たりとは、なんなのだろうか。

東野圭吾大先生がミステリに目覚めたきっかけという江戸川乱歩賞受賞作品てことで、久しぶりにミステリを読みますた。うーん青春ミステリとしてそれなりに読めたけど、さすがに時代錯誤感はあるかなー。先は気になったけど、オチはどうも腑に落ちませんでした。なんなんだこの高校生たちは。

視点が散漫なんですよねー。柴本父から始まったわりに、あっという間に野村視点を中心とした捜査側がメインになっていく。そのまま柴本目線はほとんど戻らず、藤田センセもあんま絡んでこないし、なんか微妙なプロットだな。。最後のモノローグ連打もあまり効果的とは思えず。

それよりなにより肝心要の高校生諸君が弱っちかったなー。内藤君、最初はよっぽど子供なのかと思いきや、そーゆーわけでもないし、とにかくキャラ描写弱いよ。彼らが結託する理由やその青臭い正義感はわからないでもないけど、今の感覚からすると幼すぎるというか頭でっかちすぎ。それ以上に独白のみで語られても立体感ないです。結局、誰の性格も顔も浮き上がってきませんでした。美雪、そんな簡単に受け入れていいのか? 延命君、その自己中勘違いはないんでは? 柳生君なんてもう正体不明ですよ。「アルキ」の会ってあーたねぇ。ダイイングメッセージも不自然!

ミステリとしての質も高いわけではないだけに、青春サイドがこれだとちょっと物足りないってのが感想ですね。でも、発表当時画期的だった、ってのはわかるような気もします。
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by april_hoop | 2008-10-06 00:00 | 出版


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