人気ブログランキング | 話題のタグを見る
2006年 09月 13日
感想_ハチミツとクローバー(10)
感想_ハチミツとクローバー(10)_c0160283_23513966.gifさらば青春のヒカリ。ちと書き遅れた、かな。羽海野チカ『ハチミツとクローバー』最終10巻読了。完結。  

いい着地だったと思う。最後の最後は平凡だ。森田や花本先生のエピソードに唐突な部分もある。でも、ここまで積み重ねた物語を殺す事なく、むしろ勢いをつけて終わらせたのはスゴイでしょ。個々の納得いくいかないはあるにしても、しっかり話は落ちてるよね。いろんな喪失と再生を繰り返して前に進む青春。オレはけっこう浸れたし、なんならちょっと涙腺を刺激されもしたよ。はぐのサンドイッチなんて最高です。

こうして読み切ってみると、竹本君の自転車旅行がクライマックス。ない答えを模索して、見つけた気になって、でもまた見失う。んだけど、一歩どこかに踏み出している。一気にエンディングに向かう9、10巻あたりは一気に読み切りたかったところ。ラスト数話、意識的に夜と朝のシーンを交互に繰り返すあたりに作者のセンス感じます。

『ハチクロ』は"片想い"が取りあげられがちだったけど、実際には"常になにかを選択しなくてはならない"を描いた物語。恋は直接的に選択を迫るいちツールであり、留年は選択を先延ばしにするモラトリアムの象徴。時間の流れが早かったのは、選択しないままではいられない、ということを描くためだったわけですか。心に響くセリフは、たいてい選択を促す言葉たちだったよね。ほんに心の動きを丁寧に拾った作品でした。最初はそこまでハマったわけじゃないのに、あとからあとからいろんな感動が押し寄せてきて、自分の中でしっかり残しておきたい作品になりました。面白かったです。

そういうわけで、ますます映画の続編を熱望。もち同じキャストでね!!

1〜4巻レビュー
5〜8巻レビュー
映画版レビュー

by april_hoop | 2006-09-13 00:00 | 出版


<< 感想_KING創刊号      美食百花 dish13 ヘルシ... >>