カテゴリ:文化( 306 )

2017年 02月 20日
アスリートをデザインする
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c0160283_23181503.jpg21_21 DESIGN SIGHTでやってるアスリート展、見てきましたー。やや期待外れだったところもあったけれども、興味深いです。

運動を極めるアスリートを、幾つかの視点で分解したような展示です。ディレクターが為末さんとあと二人。まず最初に待っているのは、スプリントなどの動きをモーションキャプチャーしたもの。躍動感が伝わるけど、特段のインパクトはない。あと、スポーツ報道写真が会場内幾つか展示されていたけど、これも僕は報道写真展でよく見ていた類のものなので、目新しさはなし。そして「驚異の部屋」なる空間では、100m、110mハードル、走り幅跳び、走高跳び、棒高跳び、マラソンの世界記録をアニメーションで上映。うーむ、その凄さを体感するってことらしいけど、これにはあまり臨場感なかったなー。もっとライブに体感させて欲しかったわ。

こりゃ期待外れかもーと思ったところで、次のゾーンでようやく体験型の展示が登場。アスリートの感覚や能力を体感するといった趣旨で、指示に従ってプログラムを行います。指示された重さで重りを引っ張ったり、ある長さを感覚で測ったり。アスリートの目の動きを追体験するってやつ、僕、アスリートと似たような目の動きしてたんですけど。あと、タイムプレッシャーという、時間内にピンポン玉を穴に入れるやつは、初回がうまくいきすぎてプレッシャーとは別の問題で2回目の方が遅くなっちゃったよ。とか、なんのこっちゃわからないと思いますが、総じて小粒な体験でした。僕が考えているアスレチズムとはだいぶ距離のあるコンテンツだったな。もうちょっとストラックアウトとか、パンチングマシーン的なよりフィジカルでゲームっぽいの期待してたわ。

こういう体育系のテーマパークできればいいのになー。うまくやれば老若男女楽しめるパークができる気がするのだけれど。昔、ナイキが昔、北の丸公園でやってたのなんだっけ〜、あれ的な。あれをもっとフィットネスに寄せればなー。スポーツテストの要素を入れながらさ。ボルダリングジムとか、パターゴルフとか兼ねながらさ。

そうそう、今回の展示用のグッズがいろいろユニークだった。サッカーボールやバスケットボールの皮を使ったバッグとか、マルチケースとか、ちょっと欲しかったし、HURDLERというブランドを立ち上げて作ったオリジナルのTシャツもかなり欲しかった(とりあえず我慢)。関連トークイベんともこれからあるようなので、ご興味ある方はぜひ〜。



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by april_hoop | 2017-02-20 00:00 | 文化 | Trackback | Comments(0)
2016年 09月 02日
安野モヨコ復活
c0160283_23445426.jpg渋谷パルコが8月に改装のため閉館しましたが、それを受けて池袋パルコがリニューアル。渋谷にあったものを移管しつつ、45店舗リニューアルだとか。それに先駆けて、本日新生パルコミュージアムがオープン。こけら落としは、漫画家安野モヨコさんの原画展。『ハッピーマニア』や『働きマン』など、これまでの代表作の原画とラフスケッチがずらっと並んだので、ファンは必見でしょうねー。そういえば、西武だかで羽海野チカさんのもやってたっけ! あれもう終わっちゃったかな。。

さてさて、安野さんの絵はやっぱガーリーでかわいいっすね。大きなサイズで見ると一層思うわ。僕は『働きマン』と『さくらん』しか読んでないけど、『ハッピーマニア』もその他の作品も読みたくなったな。割とストーリーが本質ついてるよね。女性のリアルというよりは、人間のリアルに近いという印象を持っています。展示自体にそれ以上の大きな仕掛けはないけれども。そうそう、プロフィール紹介の好きな映画に『シン・ゴジラ』とありました。夫思い!

いやーしかし学生時代から社会人初期に大変お世話になった池袋パルコ。久しぶりに足を踏み入れて、もちろんテナントは大多数入れ替わりつつも、でもフロアの構成とかなんか懐かしかったな。いけふくろう側の地下から入るのも。思わず郷愁に誘われて、P'も覗いたらニコニコ本社が入っててびっくり。そしてそのままウィロード抜けて西口出たら、IDGPがPKMG(ポケモンGO)になってて時代の変化感じたわ。

そんなこんなで、すっかり遠く離れてしまった池袋だけど、いざくるとなんだか愛でてしまいます。安野さんの展示タイトル、ずーっとストライプって読んでたけど、ストリップでしたわ。危ない危ない。



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by april_hoop | 2016-09-02 00:00 | 文化 | Trackback | Comments(0)
2016年 07月 30日
被写体との距離感と信頼感
c0160283_20045525.jpg川島小鳥さんの写真展、『20歳の頃』が開催ということで、初日に行ってきました。会場は、阿佐ヶ谷のセレクトショップ(という表現でいいのかわかんないけど)voidさん。駅から徒歩7〜8分でした。お店が見えてくると、お、人だかりっぽい感じが。小さいお店だったので、10人入るといっぱいかなーというところですが、とはいえそんなに大々的に告知をしていたわけでもないと思われ、小鳥ファン、たくさんいるなーという感じ。お客さんの雰囲気がね、なんとなく、それっぽいのですよね。うまく形容できませんが。

さて、今回の展示は新作の撮り下ろしで、森川葵さんのポートレート。東京都内各地と思しきところから、台湾まで。でもランドマークというよりも、普通の道端や雑踏の中や名もなき場所で、不思議な浮遊感とともに森川さんが躍動してます。躍動というとおかしいですね、なんとも不自然なゆるさです。普通ではないポーズと、表情と。事務所NGになっても良さそうな。でもそれが許されるというか、それこそが川島小鳥ワールド。台湾になってくると、これは『明星』の延長戦、という感じになってきます。という世界が、小さな店内に大小張り巡らされているのでした。

そしてこれを一冊にまとめた同名タイトルのZINEが会場で販売されていたのでもちろんゲット。ZINEとはいうものの、平綴じで写真集と言って差し支えないレベルなのでお得です。さて、20歳の頃、ですか。もう随分遠くのこと過ぎてうまく思い出せないけれど、この世界よりはもう少し後ろ暗かったような。というかパッとしなかったような。いやでも、もしかしたら、世のイメージするハタチの浮かれ感とは違う、ふきだまり感を表現しているのかもしれないとも思えました。そして、なんにせよ爆発的なエネルギーと。

もう一つ、被写体との距離感について。結構アクロバティックだったりエキセントリックなポージングも多いですが、これは誰にでも真似できる世界ではなくて、作家のイメージももちろんだし、それに巻き込める距離感がすごいよね。小鳥さんの、写真に対して真っ直ぐで、いいものを撮りたいというシンプルさが相手に伝わるから、つい巻き込まれちゃうんだろうなー。それを信頼させるその間合いこそがセンスなのではないかな、と思いました。

会場、ご本人がいらして、息子とのツーショット撮ってもらっちゃいました。自慢です。



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by april_hoop | 2016-07-30 00:00 | 文化 | Trackback | Comments(0)
2015年 02月 28日
明星展@パルコミュージアム
c0160283_23305417.jpgc0160283_23305981.jpg『明星』の写真展をパルコミュージアムでやるっていうから駆けつけました。いろいろ仕掛けがあって楽しかったよー。
川島小鳥写真展「明星」 | PARCO MUSEUM | パルコアート.com

パルコミュージアム、決して大きくはないけれど、その箱がポップ&キッチュな台湾&小鳥ワールドになっていて、テーマパーク気分で楽しめました。なんか間仕切りに穴が空いていたり、遊具に潜り込むように下から箱に入って上を見上げたりとか、身体的な鑑賞を促す作りになっていたのも良かったな。真面目にウンウン唸るよりも、公園感覚で楽しむ方がこの写真の世界には合っている気がする。

改めて、大伸ばしになった写真を見るのもいいんだよねー。フィルムの味わいもよりはっきりとわかるし、やはりこの写真に収められた無数のキラキラが胸に迫ってくる。写真集の時はとにかく楽しいって印象が強かったけど、こうしてみると青春の1ページ的な切なさとか、日本で見つけづらくなったノスタルジーの方が強く感じられる気がする。少年少女の無垢な表情こそが今この瞬間にしかないものを訴えていて、彼らもやがて大人になり、もしかしたらいつか台湾も大きく変わるかもしれなくて、なんかそれが切なくもありつつ、失われるかもしれないからこその輝きなんだろうなって思います。無くならないで欲しいけどね。みんな大人になるからね。

会場ではグッズも充実。目玉はケイスケカンダがデザインした明星Tシャツにトートバッグ。大繁盛してて並ぶのが億劫で買わずに帰ってきたけど買えばよかった。そしてこの日は、台湾のコーディネーターでもあり、この写真集の影の立役者でもある青木由香さんと、川島小鳥さんの対談も行われました。モデルになってくれる子をいろいろ探したとか、台湾の雰囲気とか、バックストーリーいろいろ聞けて楽しかったです。

終わった後、代官山蔦屋で、TRUCK FURNITURE EXHIBITION TOKYOやってるっていうからはしごしたら、ものすごい入場待ち行列で断念。大阪に行った方が早いなこりゃ。
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by april_hoop | 2015-02-28 00:00 | 文化 | Trackback | Comments(0)
2015年 02月 14日
MYOJO IN TOBICHI
c0160283_0444041.jpgハッピーバレンタイン!とは全然関係なく、ほぼ日がつくった実店舗、ほぼ日のTOBICHIに行ってきました。場所は表参道を根津美術館に出て左に曲がって少しいったところ。小さな2階建ての物件でした。おめあては、川島小鳥さんの新作写真集『明星』の展示販売です。
明星 ~小鳥がのぞいた台湾~ @TOBICHI - ほぼ日刊イトイ新聞
2/11〜15まで。

1Fは『明星』がずらりと並んで販売しているほかに、小鳥さんの前作『未来ちゃん』ほか作品の一部や、台湾関連の本が並んでます。この期間中は、『明星』を買うとくじがひけて、当たりが出ると、小鳥さんが仕入れてきた台湾雑貨がもらえちゃったり、楽しい仕掛けが。あと明星グッズも販売されてます。人気のものはすでに完売しちゃってましたけどね。てことで、さっそく『明星』を購入してくじを引いたらハズレ…。でも、ハズレの人には小鳥さん直筆の「それもよし」イラストもらえました〜。こっちのほうがレアかも?

購入もだけど、今日はヤマサキハナコさんとのトークショーがお目当て。これは2Fスペースで行われたのですが、狭いため入れるのは8人だけ。開店時に整理券をゲットした人だけが入れます。でも1Fのスクリーンでトークの様子を放映してくれたので問題なく見れました。立ち見だから疲れたけどね。

ヤマサキさんは、明星の撮影をしてた頃に台南に住んでいた方で、ご縁あって撮影の案内やお手伝いをなさっていたそうで、今日はそのときのエピソードや台南についていろいろお話ししてくれました。ヤマサキさんが関西人ということもあってテンポがよく、そこに小鳥さんがゆるくかぶせていくのが面白かったわ。台南の人のやさしさとか、雨のすごさとか、バイクの乗り方とか、バイバイの速さとか。小さなエピソードがなんとも絶妙に楽しいんだよなー。台湾ってそういうのがいいよな〜。また行きたいね、今度はむちゃくちゃ暑いという夏にでも。

てことで、写真集の感想はまたじっくり見てあらためて。ちなみに月末からはパルコミュージアムでも展覧会をするとか。それも見に行っちゃおうかなー! あ、あと、すぐ近くにTOBICHI2が間もなくオープンするんだそう。それもすごいなー!

あと、ほぼ日でこの写真集についてのインタビューが。バックストーリーを聞くとさらに好きになる!!
川島小鳥さんと、ナナロク社のこと。- ほぼ日刊イトイ新聞
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by april_hoop | 2015-02-14 00:00 | 文化 | Trackback | Comments(0)
2015年 02月 06日
山へ行きたくなる。
c0160283_2217470.jpgイラストレーターの落合恵さんの個展「Oh! Climb」に行ってきたよ。会場は経堂にあるカフェギャラリー芝生さんです。かわいかったー!
Oh! Climb 落合恵個展 | 展示 | 芝生
関係ないけど会場向かう途中、人身事故で小田急止まってたわ。

落合さんは5年前から山にハマった方で、以来ゆるさをモットーに登り続けている人。で、今回はまさに山そのものがテーマになってて、山と、山に行く人と、山の道具などが描かれている。独特の柔らかいタッチと、キャッチーな色彩があいまってなんともいい感じ。どれも愛らしく、一足早く春の訪れと山シーズン開幕を思うような内容でした。山だけどストイックさがないのがいいね。個人的には、マッターホルンとかをかなりグラフィカルに描いたポスターが好きだった。思わず買っちゃったしね。

山ガール流行りもひと段落した頃なんでしょうか。僕は山登りをしないので最近の事情に疎いですが、周囲を見渡すと山に登る人は確実に増えている感じ。仕事関係にしても、プライベートな友人にしても、誰かしらは山に登ってるんだよな。絶対減ってるってことはない。僕もぜひ山登りしたいと思っているのだけど、なかなか時間が足りなくて山の番が回ってこないんだよな。でもそんなこと言ってたら始まらないし、今年はデビューしたいなーと思います。

落合さんは、『山へ行くつもりじゃなかった』という初心者向け山登りの本も出しているので、それも買ってしまいました。さらに落合さんは、「HIGASHI ALPS」という架空の山脈名を冠したブランドも立ち上げていて、そのグッズもかわいいのです。つい缶バッジも買っちゃったよ。

そんなこんなで、すっかり山登りしたくなったのでした。山のいいところってなんだろう。山と僕の相性はどんなもんだろう。きっといろんなものが見つかるんじゃないかと、今から楽しみです。誰か誘ってくんないかな。
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by april_hoop | 2015-02-06 00:00 | 文化 | Trackback | Comments(0)
2014年 12月 23日
感想_ドリームボックス
c0160283_210238.jpg学生時代の友人が手がけた舞台を観に行ってきました。タイトルは、『ドリームボックス』。会場は渋谷のLE DECOってところ。
舞台「ドリームボックス」公式サイト

「ドリームボックスって知っているかい?」。そんな問いかけから始まるお芝居。どこかの部屋に数人の男女がいて、そこに新たにやってくる男。気の弱そうなその男は、周りのものから小突かれ、ひとり隅っこに佇む。そしてまたひとり、今度は女が現れる。なんだか高飛車な雰囲気だが、ゴージャスな見た目のせいもあってか、男たちはへつらい始める。ここは、いったい…。

独房のような場所なのかな、と思いながら展開を見守り、途中でああ、これはもしかしたら、と気付きました。そう、これは殺処分される犬たちを描いた物語。人間として描かれていた彼らは、犬を擬人化していたのでした。犬の世界を見せたあと、後半は人間の世界のできごととして同じシーンを展開し、犬は吠えるのみ、人間たちのセリフによって犬たちの状況が明かされる。そして待っているのは、犬たちの死。

これは、実際に行われていることで、事実から作られた物語だそう。そして、彼らを殺す部屋は事実「ドリームボックス」と呼ばれているらしい。終わったあとのトークで、欧米では犬を飼うには資格が必要で、簡単にペットを処分したりできなかったり、飼うためのオリエンテーションがあったりして、きちんと犬たちが守られているそう。だけど、日本にはそういうものはまだなく、病気になってしまった犬を手放したり(登場人物のひとりがまさにそうだった)、住宅の事情で不本意とはいえ結果として処分したり。そういうことがまかり通ってしまっているのだそう。

僕はペットを飼ったことがないので、こういう話を他人事として遠ざけていたところがあったけど、つきつけられるとなかなかきついものがあるね。その一方で、犬は守っても、動物の肉を食べている自分はどうなるんだ…というよくある疑問も頭をもたげるのだけど。

簡単に解決する問題じゃないけど、問題的として十分な力を持っていたし、犬を演じた役者さんたちはお見事。脚本、演出も巧かったと思います。友人がこういうモノづくりにかかわっているというのは、いつも励まされるんだよね。俺もがんばろっと。
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by april_hoop | 2014-12-23 00:00 | 文化 | Trackback | Comments(0)
2014年 12月 22日
信じることをもう一度
c0160283_221238.jpg素晴らしいコラボレーションでした。先月リニューアルオープンしたばかりの庭園美術館、その記念展示を見てきました。内藤礼さんの「信の感情」。心に迫るもののある、強くてしなやかな作品群でした。見れてよかった。
東京都庭園美術館|TOKYO METROPOLITAN TEIEN ART MUSEUM|内藤礼 信の感情 2014年11月22日(土)-12月25日(木)

修復によって、オリジナルの姿がよみがえった庭園美術館の本館。館内も外も、アールデコ様式がちりばめられた品格あふれる館が、素晴らしい輝きを放ってました。まず外観の印象からして綺麗になったなと思わせ、中に入ればまた壁一つ、装飾一つ、天井も床もすべてが光を放っているような印象。箱自体は変わっていないのに、きちんと手入れをすることでこんなにも美しくなるんだね。やっぱり元がいいものだからってのが大いにあるんだろうけれど。リニューアル前とは全然違うと思いました。

あらためてアールデコの意匠の素晴らしさね。意識しなければ気づかないであろう細部にまで技術と感性が注ぎ込まれてるのがわかる。今の建築とかでこういうものを見ることってあまりないのもあってすごく新鮮だったな。普段とりたてて興味があるわけでもないのに。こういう家を今建てたらどうなるんだろう。それも面白いかもなとか思ったり。

そして、その中に密やかに、でも確かな存在感を放つのが内藤さんの作品。小さな人型の木彫の作品。窓際に、鏡の前に、光のさす床の上に、ひっそりと佇んでいる。いったい彼らは何を見ているんだろうと思って、彼らの目線の先を見ようとした。そのうち、鏡の前にいる彼らを覗き込む観客の無防備な表情が、鏡に写りこむのを見る作品なのかな、とかも思った。そして北のベランダで、外のペリカンの石像を見つめる小人を見て思った。彼らが何を見ているのかはわからない。でも、何かを見ている、きっと何かがそこにある、そういう風に思わせることが狙いなんじゃないかなって。

それは、アールデコの繊細さかもしれないし、柱の木目かもしれないし、大理石の冷たさかもしれない。ここで暮らした人たちの記憶や時間かもしれないし、いやむしろ何も見ずに考えているだけなのかもしれない。それを考えるきっかけをくれているんだろう。この素晴らしい建築を邪魔せずに、最小限の存在で最大に効果を発揮させるすごい作品だなって思ったよ。これぞ小さな巨人。

そして、新しくできた新館のギャラリーに進むと…展示されてたのはまさかの真っ白なキャンバスが10点ほど。よく見るとわずかにオフホワイトのグラデーションがあるかな? 円形っぽいのが描かれてるかな? でも本当にかすか。だけどそれがとても清々しくて。これもまた何も描いていないようだけど、きっと何かが描かれているんだろう。そんな風に思わせます。よく見ると(踏みつけそうだったけど)、ひとりだけ小さな巨人がいました。彼の目線に立つために床に這いつくばってみた。特になにも見えなかった。

タイトルは「信の感情」。信じること。今、無条件になにかを信じにくい時代だからこそ、「きっとそこになにかがある」と信じることは尊いなと思った。あるかどうかは誰もなにも言っていない。でも、この小さな巨人や真っ白なキャンバスが、なにかあるよと告げている。それは、信じるに値するというか、信じてみたいな、って思うのでした。

豊島美術館も大感動だったし、やっぱり内藤さんすごいアーティスト。思わずミュージアムショップで、内藤礼さんデザインのTシャツを購入。ボディに楕円が描かれてたけど、あれはもしかしたら豊島美術館の穴の形だったのかな?
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by april_hoop | 2014-12-22 00:00 | 文化 | Trackback | Comments(0)
2014年 12月 15日
チューリヒ美術館展
c0160283_12142.jpgティム・バートン展を見た足ではしごしました。国立新美術館の「チューリヒ美術館展」。スイスよりやってきた、珠玉のコレクションたちでございます。
チューリヒ美術館展

やってきたのは、モネ、シャガール、マティスにピカソといった、20世紀の美術界の巨匠たちの作品。この人たちの作品は各国の大きな美術館には何かしらあるもんですね、と感心しつつ。さすがの名画たちでした。だけど、だけど、ティム・バートンの後に見ると全然物足りないよ! どんなに奇妙なシュルレアリスムも、バートンのクレイジーっぷりの前ではなんかフツーに見えてしまうというまさかの効果が。

こういう西洋画は何度見てもなかなかどう受け止めていいか難しいです。西洋美術史をちゃんと勉強してないってのもあるけれど、やはり当時がどういう時代だったかというところまでなかなか想像が及ばないので、シンクロしにくい。現代美術がとにかくメッセージ性が強いから余計に、肖像画や宗教が、印象派なんかにしても独特で面白いとは思うけれど、なかなかそれ以上の何かを読み解けなくてなんか退屈してしまうんだよなー。

ま、比べることがナンセンス。これもまた美の基準のひとつです。
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by april_hoop | 2014-12-15 00:00 | 文化 | Trackback | Comments(0)
2014年 12月 14日
はみ出し者を愛す
c0160283_0514923.jpgc0160283_0515723.jpgようやく行けた「ティム・バートンの世界」展。3週間前くらいに午前中行ったら80分待ちで撃沈したので、今回は開館10分前に到着。すんなり10分待ちで入れましたよ。前売り(引換券)を用意しておくだけでも、チケット売り場での待ち時間を20分くらい短縮できると思います。13時くらいに下に降りたら40分待ちになってました。
ティム・バートンの世界 <オフィシャルサイト>

さて、僕は特別ティム・バートンファンでもなく、映画も歯抜けでしか見てないんですが、でもこの展示はなかなか圧倒されました。本人が書きためていた原画やスケッチ、ストーリーボード、フィギュアなどがずらーっと並び、ときどき映像作品がいくつか配置されるという構成。シザーハンズあり、マーズ・アタックあり、コープスブライドありなどなど。これはファンなら嬉しいだろうねー。

改めてなんか絵が巧いなーというのが最初の感想で、でもそれがどんどんエスカレートして、ファンタジーになっていって、そのあふれんばかりの想像力たるや! とにかく、異形の者、はみ出し者たちのオンパレードで、人にとどまらないその世界観は若くして確立されていたんだなー。なんにしても、これだけのものを描いて描いて描いて描き続けたことがすごいと思う。それを許した両親の功績もなんかとてつもなく大きいのでは。「変な絵描くのやめなさい」という親だっていたかもしれない。なんてことを考えたり。昔作ったというアニメーションも、今に通じる世界を確立しながらもユニークな世界を展開してたり、端から端まで楽しめる感じ。

最後、展望スペースには、ティム・バートン仕様のクリスマスツリーまで登場して、東京タワーを借景にしながら異彩を放っておりました。年明けには新作も公開するし、さらに楽しみですね。誰のものさしにも合わせずに、ただひとり好きなものを貫き続ける。王道じゃない。邪道にして、その底なしの愛情と情熱を感じる良い展示でした。
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by april_hoop | 2014-12-14 00:00 | 文化 | Trackback | Comments(0)