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2017年 06月 14日
感想_ヤフーの1on1
c0160283_09045318.jpgもう少し実例が読みたかった。本間浩輔『ヤフーの1on1』読了。ヤフーで取り入れられている人事制度の「1on1」。これは上司と部下が、毎週30分間の面談をするというもの。でも面談にあって、面談にあらず。あくまで部下が自ら考える頭を養うためのコミュニケーションだそう。ヤフーの取り組みに多くの企業が注目し、導入も進んでいるというこの技法が、いかにヤフーの中で取り入れられ、そして浸透していったかをまとめた一冊。

書店で目に入って何気なく手に取り、電子で買いました。マネージメントをかじり始めたものの、なかなかどう取り組んでいいかわからなかったので、その助けになればなーという気持ちで。なるほど、仕組みはわかったような気がします。忙しい昨今、まずは上司部下間のコミュニケーションは十分取れているのか、というところから始まり、通常行われる四半期ごと、半期ごとスパンの面談では、当然十分とはいえず。また面談の性質として、どうしても上司がアドバイスしたり、指示したり、上から下へという流れができてしまうと、部下は思うことをきちんと伝えられなかったり、指示を待つばかりになってしまったり、その能力を発揮する芽を摘んでしまうことも多いのではないかと。なるほど確かにおっしゃる通りで、自分にも思い当たるところあります。もぞもぞするより、パッと指示して動いてもらった方が早いし、やればわかるだろう、なんて乱暴に思ってしまっているわ。

ポイントは、「傾聴」。ヤフーでは「アクティブリスニング」と呼んでいるそうで、つまり部下の話をちゃんと聞くということ。でもこれは、ただ黙って真剣に聞けばいいということではなく、適切な相づちを入れたり、あえて反復したり、そしてフィードバックをしっかりしたりし、部下が自らの経験をもとに考えることを促すというのがポイント。大事なのは言葉にして口に出すということで、案外人って口に出してみると「あれ、なんか言いたかったことと違う」とかいうこと、往々にしてありますよね。あれが気づきであり学びであり成長のポイントになるのだと読み解きました。あれ、なんか違う。じゃあこうだったのかな。ああこれだ、私が言いたかったことは。というのを引き出すことが最大のミッションということでしょう。確かにとても大事なことな気がします。頭で思ってることって、言語化するのはとても難しいですし、どんなに頑張ってもぴったりした言葉にならなかったりして(書き仕事していると近しい経験ばかりだ)、でもそれを繰り返し深めていくことで近づいていくものだからね。そして、これも僕ができてないことだなーと思いました。まず話を最後まで聞かないことも多いし、かぶせて発言しちゃうことだらけだし、基本せっかちというのと、信頼関係を作りきれてないなぁと反省しました。

さてでは、突然これを自分の組織で導入できるのかどうなのか。いきなり毎週30分何か話しましょうと言っても、僕の理解も本一冊では不完全もいいとこなので、そこに一抹の不安が。できればもっと実際の1on1でどんな会話がなされているのかの例があるとより理解も深まった気がするんだけどな。でもマニュアル化したくなくてそれはあえて避けたのかもしれませんね。きっとこれ、ものすごい生ものだろうから。まずはやってみて試行錯誤ってことか。目的は部下の成長であり、それによる生産性のアップ。ヤフーでは部下の才能と情熱を解き放つ、だそうです。仕事への向き不向きや、好き嫌いなんかを探りキャリアパスをイメージさせることも重要なんだそうです。確かにね、部下のそういう話聞いたことないや(まず自分にないというのもあるし)。

これに紐付いて、コーチングとかティーチングとかも勉強した方が良さそうです。グッドなマネージャーは1日にしてならず。そもそも向いてるのかっていうのもありますが。でもやるからには頑張ります。



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by april_hoop | 2017-06-14 00:00 | 出版 | Trackback | Comments(0)
2017年 02月 04日
感想_旅をする木
c0160283_20430163.jpg決めた、アラスカに行く。星野道夫『旅をする木』読了。26歳でアラスカにわたり、その地で見て聞いて触れた、圧倒的なまでの世界を綴る。

なんとなく手が伸びなかった星野道夫に初めて触れました。ものすごく良かったです。なぜもっと早く手にしなかったのかと後悔しています。できれば10代の頃に出会っておきたかったよ、20年遅いよ、という思いですが、でもこれ以上遅くならなくて良かったという安堵も少々。

アラスカの風景が目に浮かびます。白夜、オーロラ、カリブーの群れ、氷河、エスキモー、その他、吹き抜ける風や、マイナス50℃という寒さまで。優しく、理性的な語り口は、いたずらにアラスカを礼賛するわけではない客観性があるので、抵抗なく受け止められます。そしてそれ以上に大切なのは、その自然を目の前にして、星野さんが人生の真理に触れていくこと。

すなわち、すべてのものは一つ所に止まることなく動き続けているということ。人間の文明はとても便利だけど必ずしも私たちを幸福にしているわけではないということ。世界は広いということ。それよりも大きな宇宙があるということ。自然は恐ろしく、それゆえに美しいこと。普遍的すぎるかもしれないけれど、でも、この一つの極地で暮らしているからこその説得力があるんだよね。僕が一番響いたのは、自分が今こうしているのと時を同じくして、別のところではクジラがとんでもないジャンプをキメてるかもしれないし、名曲が生まれてるかもしれないし、そういう広さが世界にはあるということ。僕もそういうことは心のどこかで考えていたけれど、そういえば最近は忙殺されて忘れていたなー。

効率や、合理に慣れすぎてしまった今、圧倒的な不条理に、猛烈にひかれました。それは現実逃避かもしれないけれど、でもそれもまた現実だよね。決めました。息子が高校生になったら、家族でアラスカに行こう。そうだ、中学生になったらアイスランドにも連れて行こう。どっちもきっと彼の人生にいい影響を与えられるような気がする。というか、僕自身がものすごく行きたくなったというのが、ほとんど全部なんですけれど。

ブルータスの星野道夫特集も読むことにしよう。イントゥザワイルドももう一回見よう。そうしよう。



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by april_hoop | 2017-02-04 00:00 | 出版 | Trackback | Comments(0)
2017年 01月 28日
感想_陽気なギャングは三つ数えろ
c0160283_11572082.jpgおかえり、ギャングの皆さん。相変わらずで何よりです。伊坂幸太郎『陽気なギャングは三つ数えろ』読了。久しぶりに4人は仕事を遂行し、今回も鮮やかに成功。後日、雪子の息子、慎一が働くホテルのロビーで集まった4人は、ちょっとしたトラブルに巻き込まれる。雲隠れした人気女優、それを執拗に追い回すゴシップライター、事件は思いもよらぬ方向へと展開し、4人はピンチに陥るが…!?

いやー、なんと9年ぶりにシリーズ新作が出るとはね〜とすぐポチったのに1年以上積ん読してたのか…。どっちにしても月日の経つの早すぎるだろ、なんてのはさておいて。面白かったです。4人の活躍は今まで通り、嘘を見抜く成瀬に、演説王の響野、スリの…って今更そんな説明は不要ですね。相変わらず、といいたけど、4人のキャラってこんなだっけ? 微妙に雰囲気変わった? とか思ったけど、何がどうというか、単に忘れてただけのような気もします。が、著者本人があとがきで微妙に気分が変わったようなこと書いてたので、少しは変わってたのかもしれません。防犯カメラだらけとか、スマホだらけとか、時代の変化を感じさせる描写がちゃんとあるのはさすが伊坂さん。

過去2作、思いもよらない布石がたくさんあったから、今回はなんかすごく構えながら読んじゃったね。慎一が鍵を握ってるに違いないとか、教習所で出会った女は何者だとか、久遠に怪我させたあいつがまた出てくるはずとか、うん、なんか伊坂さんがほくそ笑んでるのが見えそうな感じに手のひらで転がされてる気分です。そうこうしているうちに、するするとペースが上がって最後まで。雪子の運転さながら、車線変更をスムーズに繰り返しながら、信号変わり目をぶっちぎったり、突然のUターンありと、たっぷり楽しませていただきました。最後の方は早くページを繰りたくて、この感じ久しぶりだな〜と。小説楽しいな〜と。

前の2作ほどのインパクトはなかった気がするけど、シリーズファンは読んでおきたいし、そうでなければやっぱり一作目を読んで欲しいなーと思います。気楽にサクサク、電車のお供にちょうどいい感じでしょうか。また数年後に新作で会えたら嬉しいです。



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by april_hoop | 2017-01-28 00:00 | 出版 | Trackback | Comments(0)
2015年 03月 04日
感想_バイバイ、ブラックバード
c0160283_0305619.jpgちょっと伊坂さんの見方が変わった。伊坂幸太郎『バイバイ、ブラックバード』読了。星野一彦は、廣瀬あかりに別れ話を告げていた。理由は、繭美と結婚するからだという。星野とともにいるその繭美は、身長2m、体重200kgに及ぶ巨体にブロンドという異様な見た目に加え、ありとあらゆる攻撃性を兼ね備えていた。あかりは、とても納得がいかなかった。星野は、ある事情により恋人の前から去らねばならなくなり、繭美との結婚をでっち上げたのだった。あかりと、残る4人の恋人たちに別れを告げ、そして星野は…。
株式会社双葉社 | バイバイ、ブラックバード(バイバイ、ブラックバード) | ISBN:978-4-575-51565-7

久しぶりに伊坂作品読みました。最後に読んだのは『ゴールデンスランバー』だったかな。なのでかなり久しぶり。これが予想外に楽しかった。伊坂作品は、狙いすぎ、作り込みすぎという印象に抵抗感がちょっとあったんだけど、これはその傾向はありつつも、あまり嫌な感じがしなかった。

何が良かったのかと言えば冒頭の星野と廣瀬の出会いの感じの良さかな。二人とも魅力的だった。星野の正直さと、廣瀬の少しとんがった感じが。そしてそれが、2章、3章と、テンプレートになっていたとは予想外。え、と戸惑いつつも、それらがどこにたどり着くかを楽しみに読み進めました。が、まさかのオチなし! えーって感じもしたけど、まあこれでいいのかもね。答えがあるばかりが小説じゃない、ってことで。でもまあ単行本出たのが2010年なので、今とはだいぶ時代が違うからな。今だったら、タイムマネジメントの時代だから、オチのない小説への許容量は減っていたかもしれないね。だからこそ、逆の逆でそれがいいんだけど。(なんのこっちゃ)

星野は、最初の印象は結構スマートだったんだけど、だんだんそれよりもバカ正直さの方が強くなりすぎて、最後の方は魅力半減も、女の子たちが皆魅力的でよかったね。ベストは廣瀬。次が如月で、その次が霜月、で神田で、最後の女優の順かな。繭美はうまくビジュアライズできないんだけど、女装したブロンドの曙を想像すればいいのかな。もしくはマツコがブロンドでハーフ顔?(2010年はマツコもまだ出てない?) 星野と反比例して、彼女はどんどん人間味を増してったね。なかなかいいコンビだったと思います。映像で見たい気もするけど、繭美をどうすればいいんでしょうね。まあゲテモノキャラだから男が女装するってことでいい気もする。阿部ちゃんとか?(幅は足りないけどご愛嬌)

ところで、あとがきに伊坂さんのインタビューが載っていて、これって企画物小説だったんですね。「ゆうびん小説」なる名前で、各章が書きあがった時に応募者50人に送られたんだそう。で5章分が送られ、6章目を書き下ろして単行本化したんだそう。ユニークですね。そしてさらに、太宰治の未完の遺作『グッド・バイ』が下敷きになっているそうで、それは気になるので読んでみなくては。され、このインタビューは伊坂さんの小説観が垣間見れたよ。形にすごくこだわりがあるということや、ありきたりではないものを作りたいという理性的なものが強いということ、遊び心が強いことなど、作風が腑に落ちるというか、やっぱりな、と思える内容でした。それを踏まえて、7〜8年前の作品とは、今回が企画物というのを差し引いても変化、進化をしてるんだろうなーと思ったな。つい好きな作家ばかりを追い続けてしまうけれど、人は変わるもの。時々こうやって作家の変化に触れるのも楽しいものだよな、と思ったり。金原ひとみとか、初期と全然違うしね。他にも、なんとなく離れちゃったけど今読んだらまた新たに魅力を発掘できる作家さんたくさんいる気がするわ。小説家再訪の旅、しようかな(時間ないかな)。
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by april_hoop | 2015-03-04 00:00 | 出版 | Trackback | Comments(0)
2015年 03月 02日
蜃気楼の道
c0160283_035071.jpgBIRDの第7号は「きらめきのシルクロード」特集。彼の地を旅し、見た世界をいくつかの角度から紹介しております。
BIRD | バード 第7号 きらめきのシルクロードへ

シルクロードって単語には甘美な響きがあるけれど、さて、その実態は?と考えてみたら、具体的に思い浮かぶイメージがあまりにも少ないことに気づきました。しいて言えば、西遊記の世界? 三蔵さんがお供を連れて砂漠の道を歩いていたあの感じかな。あとはマルコ・ポーロ?ってシルクロードを通ったんだっけ? 後付っぽいけど、砂漠とオアシス、ってイメージもなくはないかも。蜃気楼がどこまでも広がるような。

してその中身は、確かに砂漠の国々だけど、イメージよりもはるかに多彩。ウズベキスタンにキルギス、トルクメニスタン、イラン、そしてトルコ。その周辺にもアフガニスタンやモンゴル、タジキスタン、カザフスタンも。取り上げられてないけどもちろん中国も。国名こそ聞いたことはあるけど、その実態は全く知らないわけで、イスラム国家が多かったり、様々な民族衣装があり、そして遊牧民の国だったところも多いみたい。人々の顔を見てても、ヨーロッパ系とアジア系が混在していて、まさに文字通りの文化の交差点だったんだなーとぼんやり思う。

見ていて思ったのは民族衣装は、地域性こそあれど、赤がベースカラー。それにひきかえ、陶磁器や建物にはブルーがキーカラーになっている気が。この不思議なコントラストというか配分はなんなんだろう。アジアの赤? ヨーロッパの青? それとも火からくる赤と、水からくる青? ってそんな単純なことじゃないかもしれないけれど、どっちにしても綺麗だな。そしてこの世界は、欧米にも、日本にもないな。

中央アジアは簡単に行ける国ではないだろうけど、今になって一つくらいは見ておけばよかったなーと思うわ。僕が好きなのは確かに欧米だけど、中央〜西アジア、インド、アラブ地域を見たことがないってのはすごくもったいなかった気がする。世界は広いわ、やっぱり。それがいいのだけど。

ところで、この号からなぜか右開きに!? 相変わらず本編以外の細かなページが多く、僕としてはもっともっとシルクロードをじゃんじゃん見せて欲しかったのだけどな。TRANSITと差別化しようとしすぎていない? 旅のページ自体も随分薄くなっていて、これはコストの問題なのかしらって思いました。まあ余計なお世話ですね。
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by april_hoop | 2015-03-02 00:00 | 出版 | Trackback | Comments(0)
2015年 02月 26日
感想_旅するバーテンダー
c0160283_2302327.jpgお酒をめぐる冒険! 『旅するバーテンダー』読了。浅草のBAR DORASのオーナーが、お酒の仕入れでヨーロッパを巡った際の紀行文。ただし、ただお酒を仕入れるだけではなく、お酒が作られた背景からその土地の文化まで含めて味わうための旅。2011年のスペイン〜フランス、2012年のスコットランド、2013年のポルトガル〜フランス、3つの旅が綴られてます。
書籍出版 双風舎

何かのサイトでちらっと書評を見たんだけど、バーテンダーさんがお酒を背景ごと仕入れる旅と聞いたらとびつくよねー。お店で出すお酒は必ず現地で味わうというポリシーもすごいし、その食文化も合わせて伝えたいというのもかっこいいじゃない!って感じでネット書店で購入。いやー、羨ましすぎる旅の様子が綴られておりました。

まあとにかくどこへ行っても飲むわ食べるわ。酒屋に行ってお酒を買い、ビストロでお昼食べながら飲み、夜は夜でレストランに繰り出して飲んだ上にハシゴして。とか、ワインの醸造所を訪ねて仲良くなって食事に招待されてレア物飲んでとか。特にこだわってるのはコニャックとスコッチだそうで、それぞれへの思い入れはさらにたっぷりと綴られています。テーマを持った旅が楽しいというのはわかるけれど、さすが本職だけあってここまで徹底していると本当にすごい。しかもとにかく貪欲。同じ工程をたどったとしても、そんなに飲めないし食べられないよってくらいです。それだけじゃなく、正装してオペラ鑑賞もしてるし、教会も巡ってるし、さらにはサーファーだそうで海にも入ってるし。寝てなさすぎでしょう! 無尽蔵のスタミナ!

いやもうこれは、とにかく浅草のお店に行ってみないとですね。バー好きな上司に聞いてみたら、やはり有名なお店らしいです。ちょっと偏屈という噂もありましたが、さもありなん。この本読めば十分それも伝わります。紀行文としては、ちょっと自己陶酔が激しいので、万人にウケるタイプではないと思いますが、それでも旅好きを嫉妬させるには十分なんじゃないかと思います。

それにしても世界には改めていろんなお酒があるね。スコッチ、コニャック、ワイン、ポートワイン、シードル、カヴァ、ビール、とざっくりでこんなに出てくるし、さらにカクテルも膨大にあるし、ヨーロッパだけでこれだもんね。つい僕はビールと、せいぜいワインくらいしか飲んでなかったけど、もったいないな。もっとその土地のものをちゃんと味わおう!と決意しました。でもその前に目指すは↓浅草だ。
AR DORAS  Door of Riverside
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by april_hoop | 2015-02-26 00:00 | 出版 | Trackback | Comments(0)
2015年 02月 25日
感想_ヒップな生活革命
c0160283_22364438.jpg話題の1冊ですね。佐久間裕美子『ヒップな生活革命』読了。リーマンショック以降、アメリカで新しいカルチャーが台頭し始めている。それは、顔の見える生産者を選んだり、自らの手を動かしてものづくりをしたりして、自身の暮らしを自分でちゃんと選ぶというスタイル。大量生産大量消費時代を終え、新たな局面に入ったアメリカの最先端を、現地在住ライターがリポートしています。
idea-ink

簡単に言えば、何かと話題のポートランドと、ブルックリンの話ってことになります。こないだ上陸したばかりのブルーボトルコーヒーも、この流れと同じ線上にありますね(サンフランシスコからだけど)。どこの誰が作っているのかわからないものはもうごめんだ!ってことで、自分が信頼できるもので暮らしのものを用立てようということ。それも、なるべく環境に負荷をかけない形で、適正な対価を支払って、というのが理想。エコやロハスとも親和性高いし、インターネットなくしては成立しえないスタイルですね。全てが飽和した今、人々が求めたのは「正しさ」だったと思うとなんだか興味深いです。

2013年と、こないだの年末年始、2度ニューヨークに行き、ブルックリンにももちろん足を運んで、このカルチャーを生で体験してきました。とても勢いを感じたし、何より楽しかった(海外旅行だしね)。なんというか、社会的にも意義のあることなんだろうし、それ以上に個性豊かなので楽しいですね。小規模なものがたくさん乱立してるから、画一的じゃないのが見ていて楽しい。ブルックリンフリーとか、スモーガスバーグは、ブランド物や5ツ星レストランとは全く別の地平で存在していて、どちらが良い悪いというよりは、どちらにもそれぞれの良さがあって良いな、というのが僕の感想でした。コーヒー屋もいろんなお店があったし、アイスやビールも、ローカルかつクラフトマンシップにあふれたものがたくさんあった。デザインも洗練されてるしねー。

インターネットによって情報が激増した今、ブランドロゴだけではものの価値が担保されない時代です。どんな哲学を持って、どういうプロセスを経ているのか。そういうバックストーリーまで含めて比較検討するのがスタンダードになった今、こういうヒップなものたちは小回りが利くので強いのだと思います。たくさんは作れない代わりに、すべてをオープンにできる。そして確かなものを作れる。そこに価値を見出す人と直接つながることで、継続性も生まれる。こういう消費者と生産者のダイレクトなやりとりこそ、ずっと欲しかったけど叶わなかったものなんだろうなと思いました。これらって決して安いもんじゃないから、買う側にもリテラシー求められるしね。

東京にもこの動きは続々と入ってきていますね。独立系のコーヒー店は溢れかえってるし、マーケットなどで生産者から直接野菜を買ったりすることも多い。さらに日本で面白いのは、地方との連携かもね。ご当地モノがいろんな形で展開されているし、日本は地方も近いから現地のヒップにアクセスすることだって可能。作家ものの器を工房を訪ねて買ってみたりとかね。

このヒップ革命は当分続きそうな気配。そして、ポートランドに行きたい気持ちがさらに増すのでありました。今起きてることがわかりやすくまとまってて良書と思います。
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by april_hoop | 2015-02-25 00:00 | 出版 | Trackback | Comments(0)
2015年 02月 20日
感想_明星
c0160283_311835.jpgこないだ、TOBICHIで買った川島小鳥さんの新作写真集『明星』を鑑賞。台湾を舞台に、7万枚もの「キラキラしたものたち」を撮影し、その中から編まれた一冊。もうね、台湾の素朴さと、ノスタルジーと、南国の温度や匂いが、すごく近しい形で収められててたまんなくなるわ。台湾が好きな人にはマスターピースの一冊。いや、なんか自分、大人になっちまったな…って人にぜひ見てもらいたい一冊!
川島小鳥写真集『明星』 | ナナロク社

台湾って、本当にいい国なんだよね。あったかくて(夏は猛烈に暑いみたいだけど)、人の距離感がゆるくて、それでいて昭和っぽいものがいろんな意味で残っている。古い建物もそうだし、寛容な雰囲気もそうだし。それがなんとも居心地いいのだけど、それを正しく、まっすぐに捉えている。ただ、異国のエキゾチックな感じを撮っているんじゃなくて、被写体のモデルたちと心を通わせて撮っているだろうことが想像できる。だって、若者男女がいろいろ出てるんだけど、雨の中ずぶ濡れて立ってたり、カップルが不思議なスイカ食べてたり、少女がそこここで飛び跳ねたり、学校の子供たちが超レトロな服装ではしゃいでたり、旅行者目線じゃ見つけられないものを切り取っているから。

そのレンズを通して見る台湾は、普通に出会う台湾以上にキラキラしていて、エネルギーに満ちていて、閉塞感に苛まれる日本が忘れてしまったものに溢れているんだよね。それが羨ましくもあり、いや、かつては自分にもあったはずだと奮い立たせてもらったり、結構いろんな感情がない交ぜになるんだな。ファニーでユニークなんだけど、決して奇をてらってる感じではなくまっすぐだから、こちらも正面から受け止められるのです。まあ、とにかく、台湾行きたいなー、この子たちに会いたいし、この景色を見たいなー!って単純にものすごく思わされるという話です。

驚くべきはその装丁。タテイチの写真の束と、ヨコイチの写真が、互い違いに連なっていて、それぞれトリミングも余白もなし! だからカバーの右上は斜めにカットされているというミラクル仕様。このものづくりへのこだわりも半端じゃないっすね。あらゆる意味でエポックメイキングな一冊。ものは試し、まずは是非ご一覧あれ! あ〜台湾行きたいな〜〜〜!
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by april_hoop | 2015-02-20 00:00 | 出版 | Trackback | Comments(0)
2015年 02月 18日
アジアの秘境行きたい!
c0160283_1183654.jpgアジアもまだまだ面白いね。BIRDの6号目は「エキゾチック・アジア 〜民族衣装を纏う人々〜」特集。民族衣装を切り口に、中国の地方や、ベトナムの山奥、インドネシアの外れの西ティモール、などを巡っております。
BIRD | バード 第6号 エキゾチック・アジア

いやー鮮烈なインパクトだな。世界中、どこの民族衣装も面白いけど、アジアのそれもなかなかどうしてどれもイカしてるのね。秋に台湾のアミ族の民族衣装見て、その華やかさと多彩さに度肝抜かれたけど、まさにその世界がここに。しかも、あちこちに! 実際には、わずかしか残ってなくて、観光客向けに残してたりする部分もあるようだけど、純粋に残っているところもないわけじゃなく、いつか見られなくなるかもしれないと思うとなおのこと貴重! そして、民族衣装が残るほどの土地だから、どこも田舎。街並みや自然もひっくるめてめちゃくちゃそそられるんだよな〜。旅してみたいな、こんなところ。

いろんな民族の衣装をイラスト解説したり、テキスタイルそのものにフォーカスしたり、衣装の世界をいろいろ見せてくれてたけど、もっともっとリアルな旅の写真が見たかったな。そして、それぞれが一体どこにある場所なのか、簡単な地図だけでも見たかったわ。

が、旅はそこそこに、カルチャー特集になったり、東京のエスニック雑貨屋ガイドになったり、ついに第二特集はビールだったり、幕の内弁当すぎたかな。もっとアジアを旅してほしいよ、BIRDさんにはね。てかそうなるとますますTRANSITと差別化できないけど。

行きたいところは増えるばかり。タイもベトナムもマレーシアもシンガポールも、もう一度行きたいけど、まずは中国かしらね。衣装もすごいけど、髪型も必見ですぞ。
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by april_hoop | 2015-02-18 00:00 | 出版 | Trackback | Comments(0)
2015年 02月 17日
星を継ぐものたち
c0160283_114441.jpgブルータスの、「明日を切り開く人物カタログ」特集面白かったわー。いろんな業界の、現在のエースと、次代を担うだろうホープたちが取り上げられてて、これまでのおさらいと、未来予測が一緒になっていて。時代はさらに加速しているし、そして新しい才能もどんどん生まれているんだな。
『次は誰? 明日を切り開く人物カタログ。』Brutus No. 795 | ブルータス (BRUTUS) マガジンワールド

音楽も、アートも、ビジネスも、デザインも、ネット以降はどんどん新しいことが生まれていて、その時代感が詰まった一冊だったように思います。今起きていることを知るだけでも楽しかったし、最前線で何が起きているのか、限られた紙幅ではあるけど、刺激を受けるには十分なボリュームだったな。やっぱり刻一刻と世の中が変化していて、それにアジャストすることはもちろん、その中でどうやってイロを出していくのか。簡単じゃないけど、まだまだイノベーションは止まらないのかも、とも思って。

なんだか最近、時代の変わり目にいる感がすごく強くて。単に季節の変わり目以上の変化の予兆を感じています。たまたま自分が管理職っぽい側に移り始めたことや、自社が揺れている時期だからかもしれないけど、日本や世界情勢も何かが起こりそうな感じがすごくするし、いよいよインターネット後の世界が確立されていくような感じなのかな。雑誌作りが、なんだか石炭掘っているような気もしているのです。後戻りできないくらいの変化が待っているんじゃないかって。

そこまで大きなパラダイムシフトじゃないのかもしれないけど、なんにしてもそういう時代を生きている以上、その中で何をどうやっていけるのか。取り残されないように柔軟に貪欲に頑固に立ち向かわないとな。あっという間に置いてかれちゃいそうだもんな。変化を受け入れ、そしてその中でイノベーションしていくこと。おっさんになってきて、新しい考えや価値をなじませにくくなってきたことを自覚しているけど、それじゃいかんぜ。

次は誰? オレでしょ! って言えるように、まだまだがんばらないとと、大いなる刺激を受けたのでした。
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by april_hoop | 2015-02-17 00:00 | 出版 | Trackback | Comments(0)