2017年 02月 04日
感想_旅をする木
c0160283_20430163.jpg決めた、アラスカに行く。星野道夫『旅をする木』読了。26歳でアラスカにわたり、その地で見て聞いて触れた、圧倒的なまでの世界を綴る。

なんとなく手が伸びなかった星野道夫に初めて触れました。ものすごく良かったです。なぜもっと早く手にしなかったのかと後悔しています。できれば10代の頃に出会っておきたかったよ、20年遅いよ、という思いですが、でもこれ以上遅くならなくて良かったという安堵も少々。

アラスカの風景が目に浮かびます。白夜、オーロラ、カリブーの群れ、氷河、エスキモー、その他、吹き抜ける風や、マイナス50℃という寒さまで。優しく、理性的な語り口は、いたずらにアラスカを礼賛するわけではない客観性があるので、抵抗なく受け止められます。そしてそれ以上に大切なのは、その自然を目の前にして、星野さんが人生の真理に触れていくこと。

すなわち、すべてのものは一つ所に止まることなく動き続けているということ。人間の文明はとても便利だけど必ずしも私たちを幸福にしているわけではないということ。世界は広いということ。それよりも大きな宇宙があるということ。自然は恐ろしく、それゆえに美しいこと。普遍的すぎるかもしれないけれど、でも、この一つの極地で暮らしているからこその説得力があるんだよね。僕が一番響いたのは、自分が今こうしているのと時を同じくして、別のところではクジラがとんでもないジャンプをキメてるかもしれないし、名曲が生まれてるかもしれないし、そういう広さが世界にはあるということ。僕もそういうことは心のどこかで考えていたけれど、そういえば最近は忙殺されて忘れていたなー。

効率や、合理に慣れすぎてしまった今、圧倒的な不条理に、猛烈にひかれました。それは現実逃避かもしれないけれど、でもそれもまた現実だよね。決めました。息子が高校生になったら、家族でアラスカに行こう。そうだ、中学生になったらアイスランドにも連れて行こう。どっちもきっと彼の人生にいい影響を与えられるような気がする。というか、僕自身がものすごく行きたくなったというのが、ほとんど全部なんですけれど。

ブルータスの星野道夫特集も読むことにしよう。イントゥザワイルドももう一回見よう。そうしよう。



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by april_hoop | 2017-02-04 00:00 | 出版 | Trackback | Comments(0)
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