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2014年 02月 01日
15分以上の永遠を手にした男
15分以上の永遠を手にした男_c0160283_22261629.gif去年より引き続いてのポップアートブーム、アメリカブームな僕ですから、これは必見でした。「アンディ・ウォーホル展」@森美術館。作品と資料約700点が集まる、日本では過去最大ということで期待、大でございます!
アンディ・ウォーホル展:永遠の15分 | 森美術館

展示はシンプルに、時系列に沿ってなされてました。まずは幼少期の写真資料等がありつつ、グラフィックデザイナーの時代、そして画家となりキャンベル・スープなどを発表してポップアーティストとして一時代を築く。その後、スターの肖像画をじゃんじゃん描いてみたり、やがて映像にハマって映画を撮り出したり、といった具合。彼がいかに多才で、そしてエポックメイキングな作品を多く残して来たことがよくわかる。彼がアトリエにしてた「ファクトリー」も再現されてたりしたのも楽しかったですね。あとタイムカプセルと称した私物を段ボールにパッケージしてたのは知らなかったよ。日本のものもいろいろあったりして面白かったな。

シルクスクリーンを使った反復やコピーで、大量生産時代を逆手に取った作品は、彼のデザイナーとしてのセンスがもろに出ててすごい。誰でもできそうなことを、誰も気付かないうちにやってのける、それだけで途方もない価値があるなーと改めて思うわ。だけど、彼の言動を見ていると、彼は果たしてどんな人だったのか想像を巡らせずにはいられない。内向的だったという幼少時代、アーティストとして成功してからも、どこか孤独を感じさせるし、セレブリティとの交遊やファクトリーという居場所さえも、世俗と自分を切り離す結界のようにも見えるし。皮肉っぽさも俗っぽさも感じられて、人物像が定まらないぜ。銀髪カツラにもどんな意味があったんだろう。

ただただ好きなことだけをやり続けたけど、あまりにも名前が売れ過ぎたために自由を失ったんじゃないか。ウォーホル自身はいつもシンプルだったけど、周りがそれを赦さなかったのではないか。そんなこと、勘繰ったりしちゃいました。そして彼が生み出したポップアートもまた、コマーシャライズされて消費されていくことに運命の皮肉を感じてみたり。あー、いったいどんな人だったんだろうなー。昔見て全然楽しめなかった『ファクトリー』って映画、また見たくなったわ。ウォーホルが撮った映像の中のイーディ、とてもキュートだったもの。

てか、次のカーサブルータスがウォーホル大特集ですって。表紙画像がインパクト絶大。絶対買いますので、読んだらまた記事書きますね。

by april_hoop | 2014-02-01 00:00 | 文化


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