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2012年 06月 27日
感想_ダメな文章を達人の文章にする31の方法
感想_ダメな文章を達人の文章にする31の方法_c0160283_10211174.gifフリーライターをなさっている先輩の山口拓朗さんが、電子書籍をリリースなさってたので早速DL! その名も『ダメな文章を達人の文章にする31の方法』を読了。ものを書き慣れてない人は一度目を通すと絶対に役立ちそうな本でした。6月30日までは85円ですよ。
App Store - ダメな文章を達人の文章にする31の方法

僕は仕事柄、毎日文章を書いているし、他人のものも日々たくさんの量を読んでいるので、文章に対する意識というか感度はかなり高いです。まあ、インターネットが隅々まで入り込んでいる今、文章を日にひとつも書かない人ってのはほとんどいないでしょう。まして読まない人は皆無でしょう。色んな人が色々書いていると、その中にはどうしても読みづらい文章があります。そういうのを少しでも改善するには、けっこう役立つ本だと思います、これ。僕自身が普段意識していることを明文化してくれてるし、後輩の文章を校正するときも、こういうことをよく言っているので、後輩にも薦めてみました(読んでくれたかな?)。

よくない文章になるいちばん大きな理由は、読み手の気持ちになれていないこと、だと思います。相手が誰で、どういう時に読むもので、内容についてどのくらい理解があるのか。そういうことを意識できれば、多少文法や表現が稚拙だったとしても、意味がわからないとか、あんまり伝わらないなんてことは、激減するはず。特定の相手へのメールなのか。不特定多数が読むtweetなのか。質問なのか、説明なのか、ただの独白なのか。そのあたりは「空気を読む」ことがとても必要。自分が相手だったら、回りくどい前段が欲しいと思うのかどうか。結論を先に知りたいのかどうか。丁重に扱われたいのかどうか。そういう読み手の気持ちを意識することが、いい文章を書くためには絶対に重要だと僕は思います。

その延長線上に文章スキルを身につけるという必要があるのです。相手にとってのわかりやすさを突き詰めていくと、必然的にテクニックの話になってくるから。そこで本書の実用性が出てくるはず。たとえば、「修飾と被修飾を近づけよう」の項。これはよく散見されるんだけど、その修飾語がどこにかかっているのかわからないよ!ってやつ。例えば「私は客席で彼が歌うのを聞いた」って文章があったとして、客席にいたのは私? それとも彼? みたいなことがちょいちょいあるんですよね。文章を書いている人は当然結論を知っているから自明の理だろ、ってなるのですが、なんの知識もなくこれを読むとはてどっちなんだろう?となります。読点をうつだけでも意味は明確になるだろうし「私は、彼が客席でうたうのを聞いた」「彼が歌うのを、私は客席で聞いた」ならば誤解は生まれにくくなるでしょう。

ほかにも「その読点が文章を分りにくくしている!」→読点の位置で意味がだいぶ変わること、ありますよね。 「文章のぜい肉を削ろう!」→いろいろ補足が多過ぎて主旨がぼやけたりリズムを損なったりしますよね 「結論を後回しにする『が』の罪」→○○の件ですが、●●にもよるんですが、△△になった場合ですが、▲▲してください、とかの結論先延ばしよくありますよね などなど、どこかしら思い当たる、または見たことのある項目が続きます。さらには、この基本スキルを発展させて、「具体性を持たせる」「書き出しを工夫する」のような、より読み手の気を引くためのテクニックも紹介されてます。

総括すると、悪文の要因て、文章をよく読んでいないことなんじゃないかな、と思うんです。この単語や文節にどういう意味があるのか。そもそもこの文章自体なにを言いたいのか、何を伝えるべきものなのか。そういうことを客観視して読めているかどうか。それに尽きるのでは。人の文章を読んで気になるところがあれば、それは自分が書く時に気をつけるポイントになるはずだし。

文章を書くのはまっこと難しいですなぁ! 偉そうなことを言っちゃったけど、日々精進でござる。そのためにも1日1blogがんばるでござる!(遅れがちですが)

by april_hoop | 2012-06-27 00:00 | 出版


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