2012年 06月 23日
市橋織江さんの個展がポーラミュージアムアネックスでやってたのでふらりと拝見〜。タイトルは「IMPRESSIONNISME」=印象派。市橋さん曰く、画家たちが既存の枠組みを捨て、アトリエを飛び出し、光をつかまえようとしたのと同じように、日々の光景をその印象のままスナップし続けていきたい、という思いだそう。画家が写真の登場によって、写実から離れ、時を経て今、写実を得意としていた写真でもってそこを離れるというどこかパラドックスを抱えた表現というのは面白いですよね。 ポーラ ミュージアム アネックス|POLA MUSEUM ANNEX 開催中の企画展 思ったより点数が少なかったけど、パリとイタリアのどこか?の写真が中心のようにお見受けしましたよ。街、公園、エッフェル塔、湖畔、さまざまなシーンの、市橋織江というフィルターを通した瞬間の印象がとらえられている。独特の蒼い色彩の中で、それは優しさを湛えているようで、実は確固たる意志を表している。ような気がする。市橋さんのためらいのない、そしてミニマムなシューティングはとてもいいんだよね〜。 なのだけど。今回は、期待したほどの衝動がなかった。こないだ見た川内倫子さんのほうが強さを感じたんだよな。この展示は、どこか既視感が先に立ってしまったのです。外国の街並というのが、「Paris」や「gift」を見た後だとあんまり新鮮に映らなかったからかもしれない。もっと違う世界、状況が見たかったような気がする。いい写真だと思うけど、ストーリーをあまり感じなかったかもしれない。それはもちろん僕の感受性の問題かもしれないけれど。 ただそれでも、この水面にライトアップが反射したエッフェル塔とか、他にも良い写真はいっぱいあるんだけどね。期待値の高さゆえということで、また次の個展なり写真集なりを楽しみに待ちたいと思います。
by april_hoop
| 2012-06-23 00:00
| 文化
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