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2012年 03月 07日
OJIKA旅05_島に残る祈りの記憶
OJIKA旅05_島に残る祈りの記憶_c0160283_22571890.gifOJIKA旅05_島に残る祈りの記憶_c0160283_22572541.gifOJIKA旅05_島に残る祈りの記憶_c0160283_22573364.gif旅といえば朝ラン。もちろん今日も欠かしません。できれば日の出が見たいと、6時起きでスタート。目的地は、宿からわずか3km、橋で渡れる隣の島、黒島。人気のない日曜の朝、わずかな灯りに照らされながらのんびりとスタート。睡眠不足のせいか寝起きだからか体がものすごく重いわ。。で、高台になっている黒島園地に到着〜。ちょうど空が白み始めたけど、うーん、残念ながら雲がかかっているようで日の出には出会えず。でもま、こっちの角度から見る島の風景もよござんした。戻ってシャワって時間あったのでもう一眠り。今日の朝ご飯もデリバリーされて相変わらず超豪華〜☆

ここで嬉しいサプライズ! 昨日中止になってしまった野崎島、今日行けることになりました〜。時間がないので短縮版になっちゃうということだけど、行けるだけで十分嬉しす! 今日やるはずだった島内サイクリングはなくなってしまったけど、プライオリティは野崎島のほうがはるかに高いっす。喜びいさんで支度して、集合場所のあわび館へ(これはこれですごい場所なのだが見れなかった)。小さな船でゴーゴー! わずか15分程度であっという間に到着〜。

本来は2時間半くらいかけてぐるりと島を巡るはずだったけど、まだ風もそこそこ強いこともあり、一直線に旧野首教会へと向かう。名物のキュウシュウシカが早くも登場! この島はかつては数百人の人口がいたものの、高度成長期による生活スタイルの転換などもありどんどん人がいなくなり、今は管理者が常駐するのみの実質的無人島だそう。鹿も最大では800頭くらいいたらしいけど、無人になったことで鹿もだいぶ減ったそうだ。

小さいながら高低差の大きい島で、中央部に山の凹部があるため風の通り道になりやすいんだそう。強風に常にさらされて、だから植物もナナメりまくってたし、砂も飛びやすいんでしょう。かなり痩せた土地と見受けられる。それでも段々畑の跡なんかがあったけどね。そしてその凹部の真ん中に、旧野首教会が待っている。これが立てられたのは1908年だそうで、建築は鉄川与助。実は五島列島の教会建築の多くを手がけている人物なのだけど、ここは2個目だったそうで、試行錯誤の跡が見られるそう。洋の東西が混ざり合い、しかも鉄川自身は仏教徒だったという不思議な邂逅。それだけでもミステリーだな。

隠れキリシタンとして島に渡り、そして明治に入っても禁教令のもと密やかに蓄えられた信仰への思いが生んだ、小さな、しかし崇高な教会。しかし時代の流れでわずかな期間でその役目を終えて打ち捨てられた儚さ。宗教色の薄い日本という国で、抑圧されながらも異国から伝えられた神を信じ続けたその暮らしとはどんなものだったのか。考えるだけで不思議だな。島という独自文化と、キリスト教という西洋由来のカルチャー。ほんといろんなエッセンスが混じり合っていて想像ばかりが膨らんでいくよ。だからなのか、本当に美しい佇まいだな。

すぐ下にある砂浜もきれいで、元小学校を改装した施設は宿泊もできる場所に生まれ変わっているそう。ここでしばらく滞在するという旅もありかもしれないなーと思い、島を後にするのでした。五島列島の教会群、これは世界遺産の名にふさわしいものだと思った。登録いかんはおいといて、いつか必ず他の地も訪れなくては。

by april_hoop | 2012-03-07 00:00 | 旅情


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