人気ブログランキング | 話題のタグを見る
2011年 10月 14日
西海岸の響きだけで
西海岸の響きだけで_c0160283_22354699.gifアメリカ本土に上陸したことのないボクは、アメリカにすっごく憧れているのです。場所そのものにも、カルチャーにも。どの時代もアメリカ批判てつきものだし、実際ダメなところもたくさんあるんだろうけど、それでもそれを上回る憧れってのがどうしてもあって。なのでTRANSITの「美しき西海岸」特集にも期待満々だったわけです。
TRANSIT|トランジット

特集のメインは、まさに西海岸縦断紀行。メキシコとの国境沿いから始まり、カリフォルニア、オレゴン、ワシントン、そしてカナダに入って最後にはアラスカまで。景色を変えながらTRANSITらしい色気と刹那がないまぜになった写真が流れてく。景色、人、街、旅人の目線そのもので、あーやっぱり改めて憧れてしまうウェストコースト。サルベーション・マウンテンのサイケ感、ものすごいですね。サンフランシスコから北上した高橋ヨーコさんの写真もさすがに良かったしな。コロンビアのタイアップとおぼしきパシフィッククレストトレイルも目を奪うし、バンクーバーは10年くらい前に行ったことあるからその思い出がよみがえったり。

だけど、ネームがいつにも増してパーソナル過ぎて、かなり鼻についたんだよなー。さすがに自己陶酔的過ぎたし、それが行き過ぎて押し付けがましさにもなっていたしな。もう少しフラットな目線でみた世界ってのがボクは欲しいんだよね。だって、署名記事とはいえ、筆者のパーソナリティを知らないからさ。共感しかねることも多いし、感情移入の妨げになることも多かった。もっと物語に寄せてくれたら逆にいいのかもしれないけれど。この辺のさじ加減は難しいか。でもアンチメインカルチャー色が強過ぎると言うか、カウンター感がありすぎて、それによってブレが生じてるように思った。TRANSITの絶対的価値観が、メインカルチャーに流されないこと、になってしまっているような。それは相対的だものね。

あとは、肝心の紀行の掘り下げよりも、西海岸カルチャーとヒッピーにボリュームがより過ぎたのももったいなかったような。なんせ西海岸、って下手な一国よりも的が広いだけに、もうちょっと旅にフォーカスしてもよかったんじゃないすかねー。同時期に「BIRD」があったから分散されてしまったのかもしれない。2冊あわせて1冊の西海岸にして欲しかったということもちょっと思った。なかなかそうはいかないでしょうけどね。

とか言っておきながら、ヒッピー文化は一度体系的に知りたかったので、初心者のボクに実にちょうどいい特集だったよ。まああれだな、NBAのシーズンが無事に始まるのなら、一丁、西海岸NBA観戦ツアーにでも行きたいってもんだぜ。それでもアメリカ、やっぱり憧れるぜ。

by april_hoop | 2011-10-14 00:00 | 出版


<< 美食百花dish111_まじで...      Hello,iCloud! >>