2011年 06月 25日
2010年に撮影された10万点以上の報道写真から、選りすぐられたものを展示する「世界報道写真展」。今年も行って来た。3年連続。今年も会場は恵比寿の東京都写真美術館にて。 東京都写真美術館 言葉が出なかった。過去2年もシビアな世界中の現実を切り取っていたけど、今年はさらにシビアだと感じた。特にアフリカの悲惨な様子が多かった気がした。砂漠を徒歩で越えてイエメンを目指すソマリアの難民や、紛争の様子、その他混乱の中の悲劇。オレが今生きている世界ってどこなんだろう?とか思ってしまうほどに、日本とは物理的な意味をこえてかけ離れた瞬間たち。よくカメラがこんなとこに入れたな…。大賞に選ばれたのはアフガニスタンの女性のポートレイト。なぜこれが?と一瞬思うが、よく見ると鼻が損傷している。それは夫の暴力から逃げたところ拘束され、罰として鼻を削ぎ落とされたそうだ。彼女は今は保護団体によって守られアメリカに渡ってケアされているそうだけど…。 なんか、たとえば銃撃事件とか、紛争とか、映画でも見る映像は、どこかフィクションの世界だろうという線引きをオレはしてしまっていて。でもこの写真たちに収められていたのは、映画以上に映画のような瞬間ばかりで、それはもちろんフィクションなんかじゃなくって。自分の甘さというかヌルさというか、そんなのを突きつけられてしまった気がする。 その他、災害写真も印象的だった。ハイチ地震は膨大な被害を生んだそうだし、洪水や火山の噴火など、その決定的瞬間を捉えたカメラによって、遠く離れたオレの日常の目の前に生々しくその光景を突きつけてくれた。東日本大震災でオレらもダメージを被ったけど、世界に目を向けたら同じように天災に苦しめられてる人がこんなにもいるんだな。。東日本震災についての写真は、特別企画としてスライドショーが展開されてた。iPhoneアプリになっている3/11 TSUNAMI PHOTO PROJECT。多くの人が足を止めてたな。テレビでしか被災地を見てない人には、また違った衝撃があったと思う。このアプリをインストールしたiPadも置いてた。オレも帰宅してiPhoneアプリのほうをDL(売上は全額寄付になるそう。115円)。 救われるような美しい写真はわずかばかり。渡り鳥の神々しさ。ボリビアの女性レスラー。アイルランドのおめかしおばちゃん。サッカーワールドカップ。もっと、こういうのも見たかったんだけれど。 報道写真が、イマを写しているんだとしたら、世界はもう手の施しようがないところまで来てるんじゃないだろうか、とすら思ってしまうほど。もちろん、これは特別に事件性ニュース性のあるところだということはわかっているけど。平和な国で自由を享受している自分の幸運を感じるとともに、世界に対して申し訳ないような気にもなってしまった。 世界報道写真展2009 世界報道写真展2010 世界報道写真展2011 世界報道写真展2012 世界報道写真展2013
by april_hoop
| 2011-06-25 00:00
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ツナガール。1min.で読めるがルール。管理人エイプリル(1977年生まれ)の日々雑感エトセトラがどこかで誰かと何かをコネクトしてユナイトすることを願いつつ、であーる。 by april_hoop information
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