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2011年 03月 22日
感想_MONSTER(9)(10)
感想_MONSTER(9)(10)_c0160283_1031302.jpg感想_MONSTER(9)(10)_c0160283_10314310.jpg間隔あきながら読んでるせいか、最初の頃の読み始めの興奮はおさまりつつある。過去との行き来が減って現在の流れにまとまったからかな。でも読み始めるとあっという間に読み終えてしまう。できれば全巻一気読みしたかったな。

さて9巻あらすじ。絵本の内容が明らかになり、テンマはヨハンを狙撃するべく図書館に忍び込む。しかしその引き金を引くことはできなかった。シューバルトになにごとかをささやき、会場に火をつけるヨハン。駆けつけるニナ。炎に包まれる中で刺客に襲われたテンマは初めて引き金を引く。2度、引く。その目の前を通り過ぎるヨハン。テンマはシューバルトからのメッセージを聞き、ニナもまた、「3匹のカエル」のいるプラハへ向かう。

ついに絵本の内容が明らかに〜! しかしこれがまた抽象的〜! わかんね〜〜! なまえのないかいぶつ、か。孤独だったのか、な。でもずっと誰かの中に入っていたかいぶつが、最後はかいぶつの片割れを食べてしまった。逆に言えば、にしへいったかいぶつが、ひがしへいったかいぶつの中に入ったという見方もできるのかも。あれもしかしてこの「ひがし」と「にし」は、東西ドイツを暗示しているのかな。南北でもいいところをわざわざ東西なのだからきっとそうだろう(穿ちすぎ?)。で、なぜヨハンはこの絵本で卒倒したのか、ニナはなにを思い出したのか。謎がいっそう深まっただけだったな。自我=名前=アイデンティティを失ったことが今のヨハンを作り出した? キンダーハイムでの恐ろしいなにかを思い出したのか、ヨハンは。じゃあニナは??

それにしても、ヨハンがシューバルトに取り入った動機がちょっと弱い気がする。お金に執着があるとは思えないし、世界を牛耳るならもっと違う人もいそうな気がするけどまあいいか。それだけシューバルトという人物が影響量のある人間だったってことか。あくまでヨハンの遊びの範疇ってこと? というかそもそもヨハンの行動の目的が見えないから怖いんだろうね。ドイツ中を転々としてどこへ向かっているのか。

続いて10巻あらすじ。プラハへと向かう列車で、テンマはある男に助けられる。男の名はグリマー。東ドイツ出身のフリージャーナリストである彼は、かつてはスパイだった男。今調べているのは、511キンダーハイムについてだった。その館長だった男ラインハルトは、当時子供たちに実験を施していた研究者。しかも、今なおプラハにて再び子供たちを集めていた。いったいなにが行われていたのか、グリマーは迫るが、ラインハルトは殺されてしまう…。そしてグリマーの過去にも秘密が。

いよいよ舞台がプラハに! そして511キンダーハイムの核心に近づいているのかどうなのか。グリマーはキンダーハイム出身なことは間違いなさそうだけど、ヨハンのことは知らんのかしら。ラインハルトがやっていた実験とはなんなのか。プログラムに欠陥を見出したからこそ、今は違う実験に成功することができた彼。いいやつほど死んでいく話だぜしかし。ニナが行ったときにはすでに消されてたね、こりゃ。

おとぎのような街、プラハで生まれたモンスターっていったいなんなんだろう。グリマーが無意識にモンスター化するのもキンダーハイムの実験の後遺症(これ、何が起きてるのかわからないけどすごすぎるだろ! 銃持った相手を複数人蹴散らすって!!)。ならばヨハンとニナはいったい?? ニナが何者なのかも、ちょっとわかんなくなってきた。最大のキーマンは彼女かもしれない…。ヨハンが見つけてしまった闇のさらに深くの闇が、どんどん重く濃くなっている気がする。

by april_hoop | 2011-03-22 00:00 | 出版


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