2010年 07月 20日
本棚って、口ほどにものを言うというか、その人の性格とか生き方をあらわすよなーって思う今日この頃。というのも、昨冬に引越しする際に、蔵書の半分くらい処分しました。もう開くことはないであろう雑誌とか、つまんなかった小説とか。結果、今の本棚は9割方好きな本だけなんだけど…なんか気持ちワルイ。好きな作家とか写真集とかしか並んでなくてこっぱずかしいわ。てのもあるし、なんだか自分の文脈というか過去の集積を切り捨ててしまったように感じるんだよねー。駄作だろうが、読み捨てる雑誌だろうが、それも自分の血肉になっていることを思うと捨てるべきじゃなかったと反省。昔旅行したところのガイドブックとか、たぶん二度と使わないけどこれは捨てられなかった。捨てなくてよかった。 本棚という文脈は、やっぱり本という有形のパッケージがあるからこそ成立するのかなーとも思う。データをどれだけ大量にHDとかサーバーとかに突っ込んでも、それってどうも自分の中に組み込まれた気がしない。音源でも証明されていると思う。MP3をiTunesに放り込んでも、それを何度リピートしても、どこか融けこまないというか。所有欲とは別の次元で。非常に感覚的な部分ではありますけれど、そう思うんです。習慣の話かもしれない。 さてさて、たまたまですが、大日本印刷が「本棚と私たち」という新しいプロジェクトをたちあげました。こないだご紹介した「Arts Chiyoda 3331」のスペースにリアル本棚をつくり、オンラインでコミュニティもつくり、って活動。これ、今年が国民読書年に制定されてる(知ってる?)ことを受けての啓蒙活動。本の転換期にある今、どういう読書体験ができるか、ってね。ここは電子書籍やデジタル出版の可能性も提示していて、総合的な読書の今後のあり方を模索する場所。Arts Chiyodaにあるリアルスペースでは、4人の著名人が本をセレクトしたり、電子書籍リーダーが置かれたり。 本棚と私たち - 新しい読書体験へ。 まあオンラインのコミュニティはあんまりうまく回らないような気もするけれど。ビジネスとしては考えていないようなので、おそらく気合もそこまで入っているわけではないのでしょう。 10年20年たって、自分の本棚がどんな風に育っていくのか。本は、そこに記されているコンテンツだけがあればいいものではないんだよね、オレにとって。パッケージとして、モノとしての楽しみは、ことのほか大事なことだったのでした。だから、好きな人の本棚も気になるし、自分の本棚も大切にしていきたいのです。
by april_hoop
| 2010-07-20 00:00
| 閑話
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