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2005年 08月 15日
感想_放課後
感想_放課後_c0160283_0373614.jpg東野圭吾のデビュー作『放課後』読了。読みはじめたら止まらない面白さ。東野ワールドにすっかりハマってることを強く認識。

デビュー作ってだけあって、若干完成度が低いかなーって気はする。トリックやプロットに関してもそうだけど、一番感じたのはキャラクター。主人公前島の設定は、ドライで無関心ということになってたはずだけど、生徒とのやり取りはそれを感じさせない。けっこうウェット。クライマックスで動機を告白する生徒のセリフもとても高校生のものとは思えないし。その他の生徒たちのキャラももう少し描いてほしかったかなー。高原、北條あたり。麻生先生も。

と言いながらも、読ませるチカラみたいなのはすでに十分に備わってる感じ。先へ先へとページをめくらせるパワーは、ミステリー特有とはいえ、作家の力量に比例してると思います、ハイ。江戸川乱歩賞受賞もうなずけるし、今の活躍も予感させるね。

しかしなんといっても、犯行の動機にはビビったね。虚をつかれるくらいの"そんなことで!?"感。オレはてっきりレイプかなって思ってたけど、まさかね。正直、最初は拍子抜けしたけど、逆にそれによって殺人がよりビビッドに見えるってのもあるし、高校生の衝動みたいなのも確かにそんなものかもな、と。ネット上では否定意見もけっこう見かけたけど、まあ許容範囲でしょ。確かに合宿でそれはないだろーとは思うんですが。。

で。ラストでまたひとひねりあるわけだけど、前島はどうなったかね。それしだいで、事件そのものが大きく変容するだろうし、それを考えるのもまた楽しいですわ。そんなオマケをくれた東野先生、さすがの一言です。あー面白かった!

by april_hoop | 2005-08-15 00:00 | 出版


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