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2007年 07月 25日
感想_ミヨリの森
感想_ミヨリの森_c0160283_0233910.gifいつだって森は神秘の場所。フジがアニメ化、しかも主演は蒼井優とあらばチェックしないわけにはまいりませぬ。小田ひで次『ミヨリの森』読了。両親が離婚し、田舎にある父の実家に預けられた小6のミヨリ。斜に構え、意地っ張りのミヨリだったが、家のそばの森で不思議な声を聴く。それは森に棲む精霊たちの声だった。

環境保護が表テーマにあって、森を守ることを通しながら、都会と田舎の対比だったり、親子関係だったり、いじめだったりいろんな社会問題をパッキング。クソ生意気なミヨリはその背景と、そこからくる個性が立体的で、かなり魅力的な少女。主人公として十分立っている。設定や話の流れに目新しさはないけど、ミヨリの言動や発想が今っぽいから古くささは感じないね。自然との共生、蒼井優というキーワードから『蟲師』も連想させる。

裏テーマは人間の使命とエゴ。キーパーソンはミヨリの母で、そもそもの張本人であり、彼女の言葉は大人の都合のいい理屈を代弁。でもそれは、普通に暮らしている大人たちには少なからず覚えのあるセリフで、ミヨリが子供らしい真っ直ぐさでそれを指摘するくだりはかなり染みますな。父母には毒づくけど、その他には黙して語らないミヨリ。しかしいつの間にか精霊たちと気兼ねなくコミュニケーションを取り始める変化はかなり素敵。また、そんなミヨリにフラットにコンタクトする祖父母と田舎の子たちが、人間本来の関係性ってのも示唆。自分以外の誰か(何か)のことを考えたとき、はじめて繋がりってものが生まれるのです。

娯楽コミックもいいけど、こういう本質のあるマンガは読み応えあるね。惜しまれるのは単行本1冊であっという間に終わってしまったこと。まだまだいろんな話を読みたかったなー。と思いきや、ミステリーボニータなるコミック雑誌で続編の『ミヨリの森の四季』が連載中らしい。読みづらいなこの雑誌…。

さあ、そういうわけでアニメ化。なんでも2億つー巨費を投じて製作ということで、チカラ入ってるみたい。光と陰が同居する擦れキャラで、しかも11歳てのは蒼井優じゃなきゃ演じれないね、きっと。オンエアは8/25。現在ウェブで試写会プレゼントやってますよ。

アニメ版感想

by april_hoop | 2007-07-25 00:00 | 出版


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