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2009年 08月 08日
マジックハンドは現実の手触りを忘れない
マジックハンドは現実の手触りを忘れない_c0160283_10324544.jpg偉大なるアーティストだなー。『情熱大陸』6/21放送・種田陽平(映画美術監督)遅ればせながら鑑賞。映画『スワロウテイル』『THE有頂天ホテル』『キル・ビル』などの美術監督を勤め、"種田マジック"と呼ばれ日本にとどまらず世界的に評価される種田の最近作の仕事ぶりから彼の哲学をかいま見る。
種田陽平(映画美術監督) - 情熱大陸
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稀代の秀才だなー。もっと早く見ればよかった(録画寝かせ過ぎ)。映画のクレジットで名前は見かけてて第一人者でおられることはなんとなく聞こえてたけど、その仕事ぶりを見ると圧巻! フィルモグラフィーを見れば、その手で生み出す魔法に幾度となくかけられてきたことがわかりますとも。『花アリ』『フラガール』『マジックアワー』もこの人の手によるものだもん。見えないところまで作り込んで、役者の芝居を助けるとは聴いてたけど、これほどとはねー。その手際のよさ、「仕事で苦悩することはない」と断言するプロフェッシュナリズム、現場での瞬時のフレキシビリティ、番組で紹介されるのはごくわずかだろうけど十二分に伝わります、そのカリスマ性が。瑞々しいラフスケッチもプレゼン資料の美しさもプロの仕事だなー。

なにより感銘を受けたのは、幼少の記憶にこそ彼のクリエイションィの原点があるというとこ。そしてそれをはっきりと認識しているところ。インスピレーションはいろんなところに転がってるんだろうけど、それを知覚し濾過する種田さんの感性やらフィルターやらの根っこって、きっとほとんどが子供時代に培われたものなんだよね。「頭の中で想像するものより現実がおもしろい」ってのはすごく納得で、想像力はなによりの宝だけど、すべての出発点はこの不可思議な現実たちなんだとオレも日頃思っているので、こういう言葉を聞けるのはすごい嬉しい。そういうのをすっとばさないで大切にできているところに種田さんの凄さを感じました。天才なんだろうけど、その才能の出所をきちんと理解できてるってカッコいいよ、すごく。

画像はこの秋公開の映画『空気人形』から。ファンタジーなんだけどものすごく美術が素敵で、映画もすごく良かったし、種田マジックを200%味わえる作品(この写真からだと伝わりづらいけど)。公開時期に合わせてなのか、9月30日に自伝的画文集『どこか遠くへ』が発売されるとのことなのでこりゃー要チェックですわ。種田さん、これからも素敵な魔法で映画っつー夢見させてください!

by april_hoop | 2009-08-08 00:00 | 映像


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